裁判所が批判された「保釈」の問題とは? 記事で読み解く4つの要点

犯罪の疑いをかけられた人の保釈をめぐり、「大川原化工機」冤罪(えんざい)事件などで裁判所の対応が批判されました。そもそも保釈はどんな制度で、どんな課題があるのか。ポイントを整理します。 ■(1)保釈とは? 警察に逮捕された人は多くの場合、その後も「勾留」をされて身体の拘束が続く。保釈は、裁判にかけるために起訴された人が、裁判所に一定の金額を預けることで一時的に勾留を解かれる制度だ。 逮捕や勾留をされると身体の自由が奪われ、家庭や職場など日常生活に大きな影響が出る。自らの裁判に関する事実を調べたり、弁護人と打ち合わせをしたりすることも制約される。保釈は、有罪が確定するまでは無罪と扱う「無罪推定」の原則に基づき、被告の負担を軽くするための手続きと言える。 ■(2)保釈までの流れは? 警察は、逮捕した容疑者を48時間以内に検察に連れて行く(送検)か、釈放するかを決めなければならない。送検された場合、検察は24時間以内に裁判所に勾留を求めるか否かを決める必要がある。勾留を求められた裁判所は必要だと判断すれば10日間の勾留を認める。さらに最長10日間、勾留が延長されるケースもある。検察は、その間に起訴するかを決める。 起訴された被告は、裁判所に保釈を請求できる。裁判所は検察の意見を聞いたうえで、保釈するかを決める。 裁判所が「証拠隠滅のおそれがある」と判断した場合、勾留の期間を更新できるため、数年にわたって勾留され続ける人もいる。 ■(3)保釈はどんな場合に認められる? 請求があれば、許可するのが原則だ。ただ、証拠を隠したり、逃げたりするおそれがあると裁判所が認めた場合、請求を却下できる。 「証拠隠滅」とは、共犯者とされる人と口裏合わせをしたり、証拠を壊したりするなどの不正な行為を指す。こうした行為の具体的な可能性がどこまであると認められるかが、保釈の可否を決めるポイントになるとされている。 ■(4)どんな批判がある? 最高裁の内部資料によると、2020年に地裁判決を受けた被告のうち、初公判までに保釈された被告の割合は、起訴内容を認めた人で約26%、否認した人では約12%だった。 起訴内容を否認した場合、保釈が認められにくい傾向が続いている。身体拘束から解放されるため、被告が検察の筋書きに合わせて虚偽の自白をしたり、事実と異なる供述をしたりすることにつながるとして「人質司法」と批判されてきた。 最近は「ビジネス上の障害になる」との声も高まっている。会社の経営者が罪を犯したと疑われて無実を主張すれば長期間、会社との接触を断たれる。「海外の会社から、日本でビジネスをしたいと思われなくなる」という指摘がある。 大川原化工機の冤罪(えんざい)事件では、勾留中に胃がんが見つかった元顧問が、保釈を認められないまま亡くなった。遺族は4月、保釈請求を退け続けた裁判所の責任を問うため、国に賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしている。(米田優人)

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