一ノ瀬ワタル主演映画『四月の余白』より、暴力衝動や問題行動を繰り返す少年・澤海斗(上阪隼人)の担任教師・草野冬子(夏帆)をとらえた本編映像が解禁された。海斗への対応を批判された冬子が、感情を抑えきれずに自分の髪を引き抜く場面が映し出されている。 本作は、吉田恵輔監督自身が多感な時期に出会った非行少年や彼らを取り巻くコミュニティーをモデルに、人の痛みも常識も理解できない少年たちと、そんな子供たちに本気でぶつかりながらも彼らに寄り添う大人の生々しいもがきを描く。 元半グレで元受刑者の過去を背負う西健吾(一ノ瀬)は、海の見える地方都市で全寮制更生施設「みらいの里」を運営している。実体験を糧に道を踏み外しかけた子供たちに体当たりで向き合うが、体罰も辞さない更生方針は教育関係者から批判されていた。 ある時、中学教師の冬子(夏帆)から手に負えない生徒の海斗(上阪隼人)と、鑑別所帰りの悠について相談を受ける。2人に会った西は、一瞬で海斗の狂気を見抜いた。激しい家庭内暴力に疲れた母(占部房子)も息子を「みらいの里」に託すと決意するが、海斗は施設でも寮生とトラブルを起こして脱走。さらには傷害事件で逮捕されてしまった。 西は海斗の父(篠原篤)から責め立てられた。若い頃、西にリンチされ、左脚に障害が残ったというのだ。記憶のない過去と向き合う西にできる贖罪(しょくざい)は、海斗を更生させることだけ。「ひとは変われる」と信じて新たな取り組みに踏み出すがー。 解禁となった本編映像の冒頭は、板書しながら正岡子規の俳句の意味を説明する冬子の横顔にフォーカス。しかしカメラが切り替わると、黒板には「海斗を解放しろ!」という生徒の大きな落書きが映り、さらに生徒たちが教壇に背を向けてクラスメートと談笑、「先生、わからないんでもう1回お願いします」「わかりません!」とあからさまに冬子の発言を遮るなど、授業中とは思えない光景が広がる。 完全に学級崩壊してしまった3年3組について、職員室で隣に座る同僚は問題児の海斗を更生施設「みらいの里」に厄介払いしたことが引き金であるかのように冬子を責める。ほかの生徒たちの学校生活を守るために海斗の両親へ「みらいの里」を紹介した冬子は居ても立っても居られず「じゃあ、どうすれば良かったんですかね!?」と激高。相手が反論に困っていると「答えられないんだったら適当なこと言わないでくださいよ!!」と叫びながら、自分の髪を強く引っ張り、髪が束になり抜け落ちてしまう。自身の信念と現実とのはざまで葛藤する冬子の強いまなざしと悲痛な叫びが胸を打つ、緊迫した場面となっている。 映画『四月の余白』は、6月26日より全国公開。