大阪府内で相次ぐ「トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)」による犯行の可能性がある窃盗事件。闇バイトで集めた少年らを「使い捨ての実行役」として扱う卑劣な手口とは。 深夜の誰もいない店舗に突如押し入った、フードをかぶるなどした3人組。 ゴルフクラブのようなものでショーケースのガラスを割り、手当たり次第にブランド品を手に取ると、盗んで去っていきました。 1分もたたない間の犯行でした。 被害にあったのは大阪府堺市のブランド品販売店で、店や警察によりますと、5月10日の午前3時半ごろ、腕時計などのブランド品あわせて950万円相当が盗まれたということです。 報告・神谷果歩記者 「実はこの店舗、20日後の5月30日にも同じような被害に遭っていて、その犯行の様子も防犯カメラに映っていました」 道路上に止まった1台の車から出てきたのは、顔を隠した黒ずくめの人物。手にはバールのような棒を持っています。 犯人はドアを棒でたたき割って侵入します。しかし、20日前とは違って、店内には何もなく…目当ての商品がないのを確認するや否や、何も盗まず逃げていきました。 一方、こちらは大阪市浪速区のトレーディングカード販売店。 「ガシャーン」 今年4月の未明、大きな音とともに、シャッターに何かが突っ込んできました。よく見ると車のランプです。 そして、シャッターの隙間から店に侵入してきたのは帽子をかぶった2人組。ガラスケースを壊して、手際よくトレーディングカードをかばんの中に詰め、盗んでいきました。 店によりますと、被害額は100万円を超えているということです。 実は、大阪府内では今年2月以降、何者かがこうした荒々しい方法で店などに侵入し、 金品を盗む事件が約60件起きています。 その犯行に関わっていると指摘されるのが…。 「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」です。 トクリュウを巡っては先週、公開指名手配されていた職業不詳の藤原朋輝容疑者(28)が窃盗などの疑いで逮捕されました。さらに…。 報告・池田千晴記者 「男を乗せた車が大阪府警本部から出てきました」 現役の暴力団組員の神川将一容疑者(29)も逮捕され、暴力団とのつながりも明らかに。 2人は今年3月、泉南市の店舗に侵入し、スマートフォン60台などを盗んだ疑いがもたれていて、いずれも指示役とみられています。 2人の指示を受けて、犯行におよんだとして逮捕されたのは、いずれも10代の大学生などの少年4人でした。 捜査関係者によると、少年らは闇バイトに応募し加わりましたが、報酬は「ほぼもらえていなかった」ということです。 栃木県の住宅で起きたトクリュウによる強盗殺人事件でも、実行役として高校生らが逮捕されましたが、その一部はこんな供述をしていました。 男性(高校生の一部=吹き替え) 「当日まで普通のバイトだと思っていた」 「やらなければ、家族や友達を殺すなどと言われた」 トクリュウについて大阪府警の幹部は。 捜査幹部 「少年らは指示に従いやすい傾向があり、人に危害を加えることにも抵抗がないようにも見えるのが怖い。 しかも、結局は『使い捨て』されている」 警察はトクリュウの実態解明を進めるとともに「闇バイトは必ず捕まる」として、少年らに決して応募しないよう呼びかけています。