大分県内で特殊詐欺の被害が止まらない。今年は5月末までに319件で10億5021万円の被害を確認した。前年同期比で、件数は1・2倍、被害額は1・6倍に上る。犯罪の嫌疑がかかっていると不安をあおり、捜査関係者を装って金銭をだまし取る「ニセ警察詐欺」では、犯行に使う口座を被害者自身の名義で準備させる新たな手口も把握されている。 県警によると、1~5月の手口別の被害は▼SNS型投資詐欺 86件・4億8235万円▼SNS型ロマンス詐欺 51件・2億2200万円▼ニセ警察詐欺 45件・2億3055万円―など。三つの手口で被害額全体の約9割を占め、いずれも前年同期比で1・2~2・1倍に増えている。 ニセ警察詐欺では、警察手帳や逮捕状を提示して信用させる従来の手口に加え、被害者に本人名義の口座を作らせて入金させる手法も現れた。聞き出した個人情報を基に勝手に口座を開き、犯行に悪用するケースも確認されている。 4月上旬に杵築市内の70代女性が2650万円の被害に遭った事件では、犯人側が女性名義の口座を巧みに利用。別の事件で得たとみられる800万円が、この口座を経由してマネーロンダリング(資金洗浄)された。 県内の金融関係者は「被害者名義の口座が使われていると、こちらも特殊詐欺だと気付きにくい。水際対策をすり抜けるための動きだろう」と推測する。 県警安全・安心まちづくり推進室は「詐欺の手口は日々変化し、巧妙化している。警察が口座の開設を指示したり、捜査名目でお金を要求することは絶対にない。金銭の話を持ちかけられたら詐欺を疑ってほしい」と呼びかけている。