ディーン・フジオカが主演を務めるドラマ「LOVED ONE」(毎週水曜夜10:00-10:54、フジテレビ系/FODにて配信)の第9話が6月10日に放送された。今回、真澄(ディーン)たちMEJが解き明かしたのは、孤独死した老人と貧困層の青年の真実。胸を打つ物語が判明した一方で、MEJに思いがけない展開がもたらされた。(以下、ネタバレを含みます) ■隠された真実と“生きた証”を解き明かす法医学ヒューマンミステリー 完全オリジナルストーリーとなる本作は、法医学という硬質な題材をとおして、人を思う気持ちや生きていた時間を丁寧にすくいあげ、日本社会に多く存在する“死因不明”の闇に静かに光を当てる新感覚の法医学ヒューマンミステリー。厚生労働省主導で新設された法医学専門チーム「MEJ(メディカルイグザミナージャパン)」が、遺された痕跡を手掛かりに、隠された真実とその人が生きた証を解き明かしていく。 “LOVED ONE”とは、法医学者が遺体にささげる込められた言葉で、“亡くなった人”ではなく、かつて“誰かに愛されていた存在”として呼ぶための名。 ディーンが演じるのは、MEJに招へいされた、アメリカでメディカルイグザミナーとして数多くの検視を担当してきた変わり者の天才法医学者・水沢真澄。そして真澄のバディとなる、MEJのセンター長で、崖っぷちのエリート官僚・桐生麻帆を瀧内公美が務める。 ほか、MEJメンバーとして、死後画像診断専門の法医学者・本田雅人役で八木勇征、臨床法医学専門の法医学者・高森蓮介役で綱啓永、法歯学・骨学専門の法医学者・松原涼音役で安斉星来、検査技師・吉本由季子役で川床明日香が出演。 ■真澄は由季子に孤独死した老人の事件現場を見てもらう 孤独死の状態で発見された老人・須崎(小宮孝泰)。年齢的に持病による自然死も考えられたが、室内には「許さない」と書かれたメモがあり、刑事の穂乃果(山口紗弥加)たちは他殺の可能性も視野に捜査を始めた。MEJでの解剖では、後頭部の外傷のほか複数の症状が見つかるものの、どれも決定的な死因には結びつかなかった。 須崎の姿に自身の父・茂(遠山俊也)を重ね合わせた由季子。それを知った真澄は、由季子に事件現場を見てもらうことに。 すると、冷蔵庫の中が整理されていることや、調理器具が高いところに置かれていたこと、スーパーのレシートの日付と同じ日にカレンダーに印がつけられていたことなどから、他の人物の存在があったのではないかと推測した。 ■孤独な老人と孤独な青年のつながりとは 真澄たちが解剖結果の見直しをする一方、由季子のスーパーでの防犯カメラの確認や聞き込みで、林田康彦(前原滉)という人物が浮上。窃盗容疑で拘留中だった林田を真澄が死因究明のために取り調べした。 須崎が亡くなったと聞いて驚いた林田は、2人の出会いから話した。若いころに刑務所に入っていた須崎は、出所しても仕事はなく、日雇いのバイトをして、お金がなくなれば罪を犯して捕まってという繰り返しの日々だった。 3カ月前、須崎の家に空き巣に入ったところ、帰宅した須崎と遭遇。須崎は、引き出しにしまっていたお金を差し出し、あぜんとする林田に「お前、飯作れるか?」と問い掛けた。渡したお金を使って食事を作ってくれれば、釣りは自分のものにしていいというのだ。須崎にふと父親を重ねた林田は、カレーを作り、そこから毎週金曜に食事を作るようになった。 「お前はまだやり直せる。だから二度と罪は犯すな」と諭された林田。しかし、悪い癖が出てしまい、須崎に合わせる顔がないと思った。 そこで同席していた由季子が口を開いた。カレンダーにつけられた赤丸の印は、先の予定の日にはなく、林田が来た日についていた。「須崎さんにとって、林田さんが来た日は、いい日だったんだと思います」。それは自分と父とのやり取りでもあったことだった。 罪を犯した林田が来なかった金曜日、須崎は1人でスーパーに探しに行ったと思われた。そこで他の客にぶつかられ、頭部を強打。そのときに硬膜下血腫ができたと考えられ、自覚症状がないまま、体の自由が利かなくなり、最後には一歩も動けない状態に。 「俺のせいで…」と涙を流した林田。ただ、真澄は死因が「たこつぼ型心筋症なのだと思われます」と告げた。強い心身のストレスがきっかけで発症することが多い疾患であり、須崎にとって林田に会えなくなったことがストレスだったのかもしれないとも。須崎は身体が動かなくなっていくなかで、その思いを込めて「許さない」と書き綴ったのだ。 互いに家族がいない孤独を抱えた者同士。2人の交流には希望、楽しみが生まれたが、2人を包み込んでいた社会の闇が絶望へとつながってしまった。林田のやるせなさや後悔をにじませた前原の演技にも心揺さぶられたが、林田を待ちながら死にゆく須崎の姿を表現した小宮に「圧巻の演技」「本当に身体が不自由なのかと勘違いしてしまうくらい」「リアルに感じられた」と視聴者から称賛が寄せられた。 ■MEJに衝撃展開 今回のように孤独な者たちに隠された真実と生きた証を解き明かすのは、難しいことだと想像に難くない。MEJがあればこそということを実感させた。だが、そんなMEJの試験運用の中止が決定した。麻帆の上司は「日本での導入はまだ早かった、というのが上の判断です」と伝えたが、その裏には真澄の密かな行動が関係しているようだった。 15年前、白峯女子連続殺害事件の鑑定で、恩師・九条(小木茂光)の助手を務めていた真澄。その事件で逮捕された芹沢真一(渋谷謙人)に拘置所で面会したのだ。検察では、そんな真澄の動きを「少し目障りですね」と煙たがっていた。 15年前の真相とMEJの存在意義がつながっていきそうだ。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部