投票で「成り済ましは簡単」?SNSで懸念相次ぐ◆有権者の本人確認どう対応?全国の自治体を調査・2026年衆院選

異例の短期決戦となった2026年2月の衆院選。SNS上には選挙期間中、別人を装って票を投じる「成り済まし」への懸念が相次いだ。多くの人が疑問視したのは、投票所での本人確認。入場券の発送が遅れ、手ぶらでも投票できると発信される中、自治体は実際、どのように本人確認していたのか。時事通信がアンケート調査した結果、成り済まし対策と法律の間で揺れる、自治体のジレンマが見えてきた。(時事ドットコム取材班 長田陸) ◇「成り済まし」言及の投稿、約3万件 「住所氏名を書くだけ」「身分証の確認もなし」―。X(旧ツイッター)上には、公示日の1月27日から投開票日の2月8日まで、成り済まし投票を懸念する投稿が数多く見られた。 SNSの分析ツール「ブランドウォッチ」を使い、選挙期間中を対象に「成り済まし投票」といったキーワードが入ったXへの投稿を集計したところ、6月11日時点でリポストも含め約2万9476件に上った。前回の参院選期間中(25年7月3~20日)の7295件を大きく上回った。 投稿を分析すると、「本人確認」や「身分証明」といった単語が頻出。住所や氏名を伝えるだけで投票できることに疑問を示した内容が目立った。 こうした投稿の背景には、各地で多発した投票所入場券の発送遅れがあるとみられる。高市早苗首相による突然の解散表明で、準備が間に合わない自治体が続出。「手ぶらでも投票できる」と積極的に呼び掛けたことが、懸念につながった可能性がある。 ◇二重投票で逮捕者も 衆院選では実際、期日前投票で二重投票したとして公職選挙法違反(詐偽投票)の疑いで、東京都内の男が逮捕、起訴された。男は1度目の投票を済ませた後、別の投票所を訪問。係員から投票済みと指摘されても「まだ投票していない」と主張し、再度投票。また、SNSに「成り済ましは簡単」「ばんばん投票しよう」などと投稿していたとされる。 投票に当たり、公選法は有権者の住所や氏名が記載された選挙人名簿を確認するよう求めているが、具体的な確認方法までは指示していない。その対応は自治体の判断に委ねられており、とりわけ今回の衆院選のように入場券が届かない場合、どのように対応したのかが重要になる。 こうした状況を受け、時事通信は都道府県庁所在地と政令市の選挙管理委員会(計52市区、東京都は都庁がある新宿区)を対象に、投票所での本人確認方法についてアンケートを実施。3月中旬~4月上旬にメールなどで回答を得た。

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