匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)が絡む侵入窃盗や特殊詐欺の被害が全国的に相次いでいる。宇部警察署(西嶋和夫署長)が住居侵入容疑で逮捕した男もトクリュウに関係しているとみられ、今後も被害の発生が懸念されることから、同署は市と連携して注意を呼び掛けている。 トクリュウはSNSやマッチングアプリで臨時に実行犯(闇バイト)を募集し、組織的に犯罪を繰り返す集団。固定的な上下関係を持たず、首謀者と実行犯が直接対面しないため、匿名性と流動性が高い。指示役、リクルーター、受け子、見張りなどと、役割を細分化させ、メンバーを入れ替えながら犯行に及ぶ特徴がある。末端の実行犯には自分の役割しか知らされない仕組みも摘発を難しくしている。 若者や生活に困窮している人が実行犯になるケースが多い。一度でも加担すると個人情報を握られて脅迫され、犯罪から抜け出せなくなる。「海外勤務」や「ホワイト案件」といった怪しい高収入の求人バイトに応募しないことや個人情報を安易に教えないことがポイントだ。 犯行の手口はオレオレ詐欺などの特殊詐欺、一般住宅を狙った強盗、店舗での窃盗、違法ビジネスなど多岐にわたる。被害を防ぐには、家の出入り口や窓の施錠、防犯カメラの設置、防犯性能の高い建物部品などが有効。自宅周辺を不審な人物や車がうろついている、同じ時間帯にいつも車両が止まっている、家族構成を聞いてくる不審な電話があった場合は、すぐに警察に通報することが犯罪から身を守ることにつながる。 市はホームページやユーチューブで情報を発信するとともに、警察と連携して被害の特徴や防止方法の周知を図っている。同署は中学、高校で闇バイトに加担しないための教室を実施している。北村研二生活安全官は「トクリュウに加担すると凶悪な事件に巻き込まれる可能性がある。甘い話には乗らないことが大切。事前に下見行動などをするようなので、不審者がいた際は110番通報してほしい」と話した。