日野町事件やり直し裁判、検察側が有罪立証しない方針 無罪確定へ

滋賀県日野町で1984年に起きた「日野町事件」のやり直し裁判(再審)で、検察側が強盗殺人罪で無期懲役が確定した阪原弘(ひろむ)さん(故人)について、有罪立証をしない方針であることがわかった。大津地裁で19日にあった検察官、弁護士、裁判官による三者協議の場で検察側が伝えた。協議後に弁護側が明らかにした。 殺人事件では戦後2例目となる「死後再審」は、再審公判で無罪が確定することになる。 弁護側は会見で、三者協議で検察側が「再審公判で有罪立証は行わず、そのための立証もしないと説明した」と話した。検察側は有罪立証を放棄する理由として、「(再審を開始する理由があると判断した)再審請求手続きを重く受け止め、慎重に検討した結果だ」と述べたという。 阪原さんは行きつけの酒店の女性店主(当時69)を殺害し、手提げ金庫を奪ったとして88年に逮捕・起訴された。公判で無罪を主張したが、地裁は遺体や手提げ金庫が捨てられた場所を案内できたなどとして、有罪と認定。無期懲役の判決が最高裁で確定した。 阪原さんは再審請求中の2011年3月、75歳で病死した。12年に遺族が改めて再審を請求。捜査員が遺体と手提げ金庫の発見現場に誘導した疑いがあるなどとして地裁が再審開始を認め、大阪高裁も再審開始を支持。今年2月、最高裁で確定した。 この日の会見で、阪原さんの長男・弘次さんは「検察が有罪立証するのではないかという気持ちで三者協議に臨んだ。ほっとしたし、再審公判が始まって無罪判決を早期に受け取れるのではないかという気持ちだ」と喜びを語った。

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