堺雅人が主演を務める日曜劇場「VIVANT」第2シーズンが7月26日にスタートする。自衛隊直轄の非公認組織・別班(べっぱん)の存在を軸に公安、国際テロ、家族の絆といったテーマを描く同作。2023年7月期に第1シーズンが放送され、同年の「ユーキャン新語・流行語大賞」に“別班 / VIVANT”がノミネートされるほどに話題を呼んだ。現在はNetflixほかにて配信されている。 そんな前作にはいまだ回収されていない謎が多く残されており、このたび放送される第2シーズンで新たに明かされる真実もあるという。本コラムでは、もう一度振り返っておくべき前作のポイントや、第2シーズンの注目要素をライター・前田かおりが紹介。7月から新シーズンをより楽しめるように、準備を整えておこう! 文 / 前田かおり キャラクター紹介 / 大畑渡瑠 ※本コラムには第1シーズンのネタバレが含まれているため、未鑑賞の人は注意してほしい。 ■ 「VIVANT」第1シーズン あらすじ 大手商社・丸菱商事に勤める乃木憂助(演:堺雅人)は誤送金された1億ドルを取り戻すため、送金先のバルカ共和国へ。金を受け取ったとされる人物にたどり着くが、爆破事件に巻き込まれてしまう。おかげで爆破犯に間違えられた乃木は現地警察から追われ、現地で出会った公安警察の野崎守(演:阿部寛)と医師の柚木薫(演:二階堂ふみ)、ドラム(演:富栄ドラム)と共にバルカからの脱出に奔走するのだった。 やがて誤送金事件の真相が明らかになり、浮かんできたのは国際的テロ組織・テントの存在。野崎は乃木の正体が自衛隊直轄の特殊部隊「別班」の諜報員であることを突き止める。一方で乃木は別班の仲間と合流し、テントのリーダーにつながる情報を集めていくが、そこでリーダーであるノゴーン・ベキ(演:役所広司)が生き別れた実の父親であるという真実に直面。別班の仲間である黒須駿(演:松坂桃李)らとテントの会合に潜入したことから、40年ぶりにベキと再会する。だがベキには“日本を最終標的にする”というある目的があった。そして乃木は運命に立ち向かい、自らの手でベキを暗殺することに。すべてが落着したかに思えた彼の前に、再び赤い饅頭が置かれることとなる。 ■ もう一度振り返っておくべき前作の5ポイント □ ノゴーン・ベキは本当に死んだのか? 最終回で、復讐のために内閣官房副長官・上原を襲うノゴーン・ベキらテントの3人を銃撃した乃木。最終的にベキは燃えた上原邸で亡くなったとされた。だが、ベキの養子で乃木の弟にあたるノコル(演:二宮和也)との携帯電話での会話で、乃木は「皇天親無く惟徳を是輔く(こうてんしんなくただとくをこれたすく)」と言い、「花を手向けるのは先にするよ」と意味深な言葉を残す。「皇天~」は中国の歴史書「書経」に由来することわざで、「天は公平で贔屓せず、徳のある人だけを助ける」という意味だ。そもそもベキはバルカのために尽くした徳ある人物。死んだとされているが、遺体の情報は「煤になった」という報告のみだったため、身元もはっきりしていない。また乃木は以前、別班の仲間を撃った時も急所を外して命を救っていたため、別班として任務を果たしたように装いながら息子として父の命を救った可能性も? ベキの続編出演を期待する声は少なくない。 □ 長野専務の空白の2年間 丸菱商事の専務で、誤送金事件を起こした太田梨歩との不倫関係が疑われた長野利彦(演:小日向文世)。野崎から取り調べを受けた際に「我々と同業では?」と聞かれ、暗に「テントのことを調べている別班では?」と探られていた。長野の経歴には1985年に防衛大学校を卒業後、1987年に一橋大学院に入学するまでの間、空白の2年間がある。長野は「薬物依存症の治療のために更生施設に入所していた」と明かすが、事実確認をしたのは公安の新庄。彼は最終話でテントのモニターだったことが発覚していたので、果たしてその情報は信用できるのだろうか? また一方で、この空白の期間は幼少期の乃木がバルカで人身売買された時期に重なる。乃木は戦場ジャーナリストだった飯田という人物に救われているが、長野専務こそが飯田の可能性はないだろうか(前作では若き飯田を和田聰宏が演じていた)。長野県には飯田という場所があることからそう見る視聴者の声もある。長野は第2シーズンの登場人物にも名を連ねており、その正体が判明するか!? □ 謎を呼ぶ存在・ジャミーン / 薫があんなにも大切にする理由は? 砂漠に倒れていた乃木を家に連れ帰り、薫に治療を依頼するなど窮地を救った少女ジャミーン。幼い頃に母を亡くしたショックで口がきけなくなっているが、人の善悪を直感的に見抜く能力を持ち、“奇跡の少女”と言われている。父アディエルはベキに育てられた過去があり、彼の結婚の際にベキは乃木が生まれ育った家をアディエルに祝いとして贈っていた。そのように物語を動かした重要人物ジャミーンの周囲にも数々の謎が……。アディエルとの写真に写っているジャミーンの母が、乃木の母と似ていることから姉妹である可能性はないだろうか。またジャミーンは乃木に非常に懐く姿を見せていたが、一方で野崎に懐かないことから野崎が悪人(二重スパイ)という見方も。薫が乃木に「アディエルやジャミーンは家族」とその親密さを語るシーンがあったが、第2シーズンでは薫がジャミーンを大切にする理由も明らかになるのでは? □ バルカにいるままの黒須 最終話となる第10話、日本の警察に逮捕されたベキが逃亡したため急遽帰国するという乃木に、随行を申し出た黒須。だが「バルカにも何か動きがあるかもしれない」と言われ、乃木から家紋の入った守り刀を託されてバルカに留まるよう命じられてしまう。絶大な信頼を寄せ、尊敬する先輩の乃木の言葉を引き継いでバルカで任務を続行することになる黒須。フローライトの件は片付き、テントも解体したはずだが……乃木が「解体に納得しない者もいるだろう」と言う通り“元”テントのモニターの存在も軽視できないうえ、バルカには最終的にベキの“復讐”のための手助けをしたノコルもいる。第2シーズンに登場することも決定している黒須は、そんなバルカでどう活躍するのか? □ ドラムの過去も謎のまま 「VIVANT」のなかでも一躍人気キャラクターになったドラム。バルカ共和国の出身で、公安・野崎の相棒として盗聴、偵察、諜報活動から逃亡の手配に、装甲車の運転などなんでもござれ。日本語は理解できるが話せないことから音声アプリを使ってコミュニケーションを図り、その可愛らしい声や外見から癒し系にもなっている。ジャミーンが懐いており、日本で手術を受ける彼女のために故郷の人たちが写ったアルバムを作る器用さも見せた。そんな個性的な彼だが、実は公安の諜報員ということ以外は素性がよくわからない。 彼が集めた写真にはテントの人々も写り込んでいたことから、実はモニターではないかという声も上がったほど。結局詳しい過去については全く触れられなかったので、続編で描かれるのではないか。期待大。 ■ 第2シーズンのここにも注目! □ アゼルバイジャンでの大規模ロケを実施 前作では2か月半に及ぶモンゴルロケを敢行した「VIVANT」。今作ではカスピ海に面し、東欧と中央アジアの境界に広がるアゼルバイジャンを中心に3か月以上の海外ロケを行っている。特にアゼルバイジャンは世界有数の親日国とも言われており、公式SNSの投稿画像や予告映像には観光スポットとしても知られるシルクロード時代の隊商宿「キャラバンサライ」、中世王朝の宮殿建築「シルヴァンシャー宮殿」と思われる場所など、異国情緒あふれるスポットも捉えられていた。一方、日本国内では岐阜、島根、埼玉などでロケが行われたという情報も。埼玉県行田市では約4000人規模のエキストラが集まったことも話題となり、その規模感は注目度の高い「VIVANT」ならでは。まだストーリーの詳細は不明だが、大規模な人員を投入し、2クールにわたっての物語としてどこまでスケールアップするのかが楽しみでたまらない。 □ 乃木の二重人格「F」はどう物語を左右するか? 前作で登場した“乃木の別人格”であるF。乃木とは瓜二つで気が強く、突然乃木の傍らに現れては話しかけて、時には体を乗っ取ってしまうこともある。出現したのは、幼い乃木がバルカで過酷な体験をし、幸運にも日本人の戦場ジャーナリストに救われて京都の児童養護施設に預けられたものの、いじめられ孤立していた頃。Fの存在があったからこそ、乃木は強くなり、アメリカのミリタリースクールに入学することができた。別班に入ったこともFのサポートによる功績が大きいだろう。なお前作から続投する監督・福澤克雄は今作で「Fの出番を増やしてみようかなと思っている。見ればわかるけど大変なことになると思う」とも予告。より深化する物語で、Fがどう関わってくるのかに注目したい。 ■ 「VIVANT」第1シーズンのキャスト・登場人物 □ 乃木憂助(演:堺雅人) 丸菱商事社員。実体は「別班」工作員。 □ 野崎守(演:阿部寛) 警視庁公安部外事第4課・理事官。乃木のよきライバルであり協力者。 □ 柚木薫(演:二階堂ふみ) 世界医療機構(WHI)の医師。乃木の唯一の心の安らぎ □ 新庄浩太郎(演:竜星涼) 公安外事第4課。野崎の部下。実は「テント」のモニター(スパイ)。前作の最終話で逃亡。 □ アリ(演:山中崇) GFL社代表でテントのモニター。乃木に家族を人質にされるが、テントへの忠誠を尽くす。ノゴーン・ベキの写真を持っていた乃木の正体を知り、乃木の計らいで家族とともにベネズエラへ逃亡。 □ チンギス(演:Barslkhagva Batbold) バルカ警察の優秀な警察官。執拗な追跡者から、後半は野崎らと共闘する熱い味方へ。 □ ドラム(演:富栄ドラム) 野崎の助手。音声アプリで会話する(声は林原めぐみが担当)。驚異的な身体能力を持つ超有能サポーター。 □ ノコル(演:二宮和也) テントの幹部。ノゴーン・ベキの養子で、乃木憂助の義弟。 □ 乃木卓(演:林遣都) 若き日のノゴーン・ベキ。元公安で、公安に見捨てられ絶望した過去を持つ。 □ 東条翔太(演:濱田岳) サイバー犯罪対策課。天才的技術を持つホワイトハッカー。 □ 佐野雄太郎(演:坂東彌十郎) 警視庁公安部部長。野崎の直属の上司。 □ 長野利彦(演:小日向文世) 丸菱商事の専務。防衛大学校出身。 □ 櫻井里美(演:キムラ緑子) 別班の司令官。日本の国益のためなら冷徹な判断を下す。 □ 黒須駿(演:松坂桃李) 別班工作員。表向きはJKT資源開発に勤務し、地下資源の探索や掘削の研究開発を行う資源開発プラントの優秀なエンジニア。 □ ノゴーン・ベキ(演:役所広司) テントの指導者。元公安で乃木憂助の実父・乃木卓。 ■ 日曜劇場「VIVANT」第2シーズン 番組情報 □ 放送局・放送日時 TBS系 2026年7月26日(日)スタート 毎週日曜 21:00~21:54 □ スタッフ・キャスト 原作・演出・プロデュース:福澤克雄 プロデュース:飯田和孝 出演:堺雅人 / 阿部寛 / 二階堂ふみ / 竜星涼 / 山中崇 / Barslkhagva Batbold / Tsaschikher Khatanzorig / 富栄ドラム / 林原めぐみ(声の出演) / 内野謙太 / 花岡すみれ / 本間さえ / 二宮和也 / 井上順 / 林遣都 / 内村遥 / 井上肇 / 市川猿弥 / 市川笑三郎 / 平山祐介 / 珠城りょう / 西山潤 / 宮下今日子 / Tanapak Jongjaiphar / 濱田岳 / 坂東彌十郎 / 小日向文世 / キムラ緑子 / 松坂桃李ほか ©︎TBS