大麻栽培に使われた中古の賃貸住宅の取引台帳を適切に管理していなかったとして、茨城県警は2日、宅地建物取引業法違反(帳簿備え付け)の疑いで、同県つくば市内の不動産仲介会社と代表取締役の男性(50)を水戸地検土浦支部に書類送致したと発表した。同社が仲介した戸建てでは、ベトナム人らが大量の大麻を栽培していたとみられ、犯罪の温床となっていた。押収した大麻草は約1600本(末端価格2億5000万円相当)に上る。 送検は5月15日付で、「厳重処分」の意見を付けた。県警が宅建業法違反(同)で不動産会社を摘発するのは初めて。 送検容疑は、2022年4月に仲介契約したつくば市内の2階建て住宅について、県警が捜索した今年2月、取引に関する帳簿を事務所に備え付けていなかった疑い。宅建法は取引年月日や契約者名などを記した帳簿を5年間保管することを義務づけている。住宅には植木鉢など大麻栽培の形跡があった。 県警によると、昨年3月に同県笠間市内の倉庫で大麻を栽培したとして、大麻草栽培規制法違反(営利目的栽培)容疑で逮捕された同国籍の男の携帯電話を調べたところ、別の男らが今回の不動産会社の賃貸物件で同様の犯行に及んでいた事実が判明した。 その後の捜査で、同社と賃貸契約したつくば市や同県土浦市、常総市などの11の戸建て住宅でも大麻草が栽培されたり、栽培の形跡が確認されたりした。社長の男性は契約時に十分に身分確認をせず、帳簿に住所や名前が記載されていないなど、ずさんな管理体制だった。賃料は6~7万円ほどだった。 一連の事件で同法違反容疑で逮捕されたベトナム人は10人に上る。いずれも闇バイトに応募し、大麻栽培に加担していた。このうち1人は公判で栽培に必要な住宅や道具は事前に準備され、栽培方法を教えられた人物が家賃を支払っていたと明かした。 社長の男性と賃貸契約を交わしたのはブローカーとみられる男(31)などで、大麻栽培していた男らとは別の人物だった。さらに上位の指示役が別にいるとみられ、県警は外国人版の匿名・流動型犯罪グループとみて調べている。