集団で暴行して現金を奪ったり、複数のアパレル店に侵入しブランド品を盗んだりと、福井県内で匿名・流動型犯罪グループ(匿流)による犯行の可能性がある事件が相次いでいる。県警は1~4月、匿流による特殊詐欺などの資金獲得犯罪でメンバー34人を摘発した。高額な報酬をうたう「闇バイト」に応募して匿流に加担してしまうケースが多く、「意図しないところで犯罪集団の一員になってしまうこともある」と警鐘を鳴らす。 県警組織犯罪対策課によると、摘発した匿流とみられるメンバーは2024年は76人、25年は137人。今年1~4月に摘発した34人の年代別では20代が最多の8人、40代と50代が各7人、30代と60代以上が各5人だった。10代は2人いた。 罪種別では詐欺が17人で最も多く、そのほとんどが特殊詐欺の「受け子」といった実行役だった。窃盗や薬物犯罪は各1人だった。匿流に関わるきっかけとなったのは、約4割の13人がSNS(交流サイト)で募集する「闇バイト」への応募だった。共通の趣味で知り合った人物から声をかけられて勧誘されるケースもあった。 県警が匿流のメンバーを摘発したケースとして、投資に関するSNSグループに参加していた福井市内の70代女性にうそのメッセージを送り現金700万円をだまし取ろうとした疑いで、3月に外国籍の10代男を詐欺未遂容疑で現行犯逮捕した。女性から現金計4千万円以上をだまし取ったことも分かり、詐欺容疑で2度再逮捕した。 福井市内では4月末から5月上旬にかけ、アパレル店2店に複数人が侵入し、ブランド品など計1億2千万円相当が盗まれる連続窃盗事件が発生。坂井市内では県内の男性2人に暴行を加え、現金を奪ったとして6月、県内外の10~20代の男女8人が強盗致傷容疑で逮捕された。ともに匿流の可能性がある。 県警は本年度、福井、福井南、大野、坂井の4署の匿流専門の捜査員を増員するなどして対策を強化している。組織犯罪対策課の担当者は「闇バイトでうたわれる『ホワイト案件』や『高収入』といった甘い誘惑に応じないことが大切。先輩や友達から誘われる可能性もあり、グループからの離脱は簡単ではないという意識を持ち、心配なことがあったら警察に相談してほしい」と呼びかけている。