尹前政権と癒着 旧統一教会総裁逮捕=証拠隠滅の恐れ

【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル中央地裁は23日未明、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の妻、金建希(キム・ゴンヒ)氏を巡る不正疑惑を捜査する特別検察官チームが請求した世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の韓鶴子(ハン・ハクジャ)総裁の逮捕状を発付した。証拠隠滅の恐れがあると判断した。逮捕状発付の是非を判断する逮捕状審査を終えソウル拘置所で待機していた韓氏はそのまま収監された。 特別検察官チームは18日、尹前政権を巡る政教癒着疑惑に絡み、政治資金法違反、請託禁止法違反、証拠隠滅教唆、業務上横領の四つの容疑で韓氏の逮捕状を請求していた。 特別検察官チームは、3回にわたり出頭要請に応じなかった韓氏が、尹前大統領の側近の1人で最大野党「国民の力」の重鎮、権性東(クォン・ソンドン)国会議員の逮捕後に出頭するなど捜査に非協力的な態度を示したことや、証拠隠滅の懸念があることを理由に逮捕が不可避だと主張したという。 これに対し韓氏は約5時間に及んだ令状審査で「韓国の政治に関心はなく、政治について知らない」と強調するなど、容疑をおおむね否認。今後の捜査に協力する姿勢を示した。 韓氏は同教会の世界本部長を務めた元幹部(逮捕・起訴済み)と共謀し、2022年1月に権性東氏に政治資金1億ウォン(約1060万円)を渡し、教団への支援を求めた疑い(政治資金法違反)が持たれている。同年4~7月に高級ブランドバッグなどを呪術師のチョン・ソンベ氏を通じて金建希氏に贈り、教団の事業で便宜を図るよう要請した疑い(請託禁止法違反)、金氏への贈り物を教団の資金で購入した疑い(業務上横領)、同年10月に自身の海外賭博疑惑に関する警察の捜査に備え元幹部に証拠隠滅を指示した疑い(証拠隠滅教唆)もある。 元幹部の起訴状には、同教会側が韓氏の意向に沿って国家が運営されるべきだという「政教一致」の理念を実践するため尹前大統領夫妻に接近し、便宜を図るよう要請したとの内容が記載された。 韓氏の逮捕を受け、特別検察官チームは韓氏が22年2~3月に権氏に現金が入った紙袋を渡した疑惑や、23年に当時与党だった国民の力の党大会を控え、権氏を党代表にするために同党に信者を集団入党させた疑惑に関する捜査も加速させるとみられる。 集団入党を巡っては、同教会への家宅捜索で確保した信者120万人の名簿と、約500万人の党員名簿を照らし合わせ、約11万人の同一人物を確認した。 一方、特別検察官チームが政治資金法違反の容疑で請求した同教会の元総裁秘書室長の逮捕状は棄却された。同地裁は「(韓氏の)共犯だという説明が足りない上、責任の程度などについて争う余地がある」と棄却の理由を説明した。 元総裁秘書室長は同教会のナンバー2であり、韓氏の最側近として知られる人物。韓氏のほとんどの容疑の共犯とされている。

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