インド「ゴキブリ党」で抗議拡大 入試流出に若者怒り、政府動かす

【ニューデリー時事】インドでSNS上の架空政党「ゴキブリ人民党(CJP)」が火付け役となり、若者の抗議運動が拡大している。 大学の医学系学部の入試問題流出を巡り、政府に責任追及を要求。これまでCJPの存在を無視してきたモディ政権も対応に乗り出した。SNS発の運動が現実の政治を動かしつつある。 「モディ(首相)辞めろ」「プラダン(教育相)辞めろ」。20日、CJPの呼び掛けに応じ首都ニューデリーに集まった数千人の若者が議会に向け行進した。警官隊が催涙ガスや警棒で制止し、デモ参加者と警官ら計約180人が負傷したとされる。 現政権下で若者による大規模デモは異例。その後も抗議集会は続き、中心部にある17の地下鉄駅は閉鎖されたままだ。 「何より責任の所在を明らかにしてほしい」。集会に参加したアカシュさん(25)はそう声を荒らげた。5月に実施された医学系入試で試験問題の事前漏えいが発覚。地元メディアによると約200万人の受験生が再試験を余儀なくされ、受験生10人超が自ら命を絶った。捜査当局は漏えいに関与した疑いで教育関係者ら十数人を逮捕した。 公務員採用試験の勉強を続けるアカシュさんは「私たちは何年もかけ試験の準備をする」と語る。「医者になりたくて懸命に勉強し、あらゆる努力と情熱を注いだのに問題が漏れ不合格になってしまう。そんな時どんな気持ちになるか」と、亡くなった受験生をおもんぱかった。 デリー大学への入学を控えるシャルマさん(18)は「正義を求めているだけ。暴力は望んでいない」と訴えた。人口14億人超のインドで若者は大学入学や就職に際し激烈な競争にさらされている。不公平感が怒りの根底にあり、若者は政府に雇用の確保も求めている。 CJPの代表者2人は20日、ナッダ保健相と面会。プラダン氏辞任に加え、死亡した受験生の遺族に対する金銭補償などを盛り込んだ要望書を手渡した。 抗議の高まりに乗じ野党も政権批判を強める中、モディ氏は23日、X(旧ツイッター)を通じて初めて公に反応。「若者の福祉や未来以上に重要なものはない」と強調し、漏えいに関与した容疑者の司法手続きや処罰を迅速化するため、特別裁判所を設置すると表明した。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする