海外移送のため誘拐したとして男逮捕 知らないうちに“かけ子”に…詐欺拠点の実態は

「月に50万円は稼げる」などと言って特殊詐欺の拠点があるカンボジアへ男性を移送する目的で誘拐したとして暴力団組員の男が再逮捕されました。 指定暴力団住吉会系組員の山尾輝斗容疑者(26)は去年7月、特殊詐欺グループで働かせるため30代の男性をカンボジアへ移送する目的で誘拐した疑いが持たれています。 警視庁によりますと、山尾容疑者は仕事を探していた男性に対し「普通の仕事、月に50万円稼げる」などと言って仕事を紹介していました。 男性には仕事内容が特殊詐欺の拠点でのかけ子であることは伝えていなかったということです。 ■「これを覚えろ」到着後に渡された“詐欺マニュアル” 男性は警視庁からの事情聴取に対し、現地で指示を出していた中国籍の男に「これを覚えろ」と言われ詐欺の電話の仕方などがまとめられたマニュアルを渡されたと話したということです。 男性はこの時に初めて仕事が特殊詐欺のかけ子だと気付いたといいます。 男性によりますと、カンボジアの首都プノンペンにある特殊詐欺の拠点には、中国籍や韓国籍などの合わせて200人ほどがいたということです。 男性は平日は警察官をかたって高齢者などに電話を掛け、休日もマニュアルを書き写して覚えるよう指示されていたと話しています。 男性はおよそ1カ月間稼働していましたが、その間の報酬は支払われませんでした。 その後、男性は成果をあげられなかったことから中国籍の男に「日本に帰れ」と言われ、帰国しました。 ■海外拠点の手口が定着…警察庁などが対策強化 近年、犯罪組織が海外を拠点に特殊詐欺を行うケースが相次いでいます。 捜査関係者は「日本警察の捜査権限が及ばない海外が詐欺拠点に選ばれる手口が定着してしまったことで、摘発のハードルが上がったことは確か」と話します。 こうしたなか、警察庁は現地での情報収集などを強化するため6月から職員をタイに配置しています。 警視庁は引き続き海外拠点の実態解明を進めるとともに、「簡単に稼げる」といった募集には惑わされないよう注意してほしいとしています。

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