カンボジアで特殊詐欺に加担させる目的で東京・歌舞伎町の「トー横」にいる男女の移送を繰り返していたとみられる暴力団組員の男が、30代の男性をカンボジアに移送する目的で誘拐した所在国外移送誘拐の疑いで警視庁に再逮捕されました。 再逮捕されたのは指定暴力団住吉会系傘下組織組員の山尾輝斗容疑者(26)です。 山尾容疑者は去年7月、30代の男性に対して「普通の仕事、月に50万円は稼げる」などと言って、およそ2週間にわたってカンボジアに移送する目的で東京・新宿区などで誘拐した疑いがもたれています。 警視庁は山尾容疑者の認否を明らかにしていません。 一方で、男性の警視庁への説明によりますと、男性は新宿・歌舞伎町の「トー横」に通っていて、そこでの知人から山尾容疑者を紹介されたということです。 その後、山尾容疑者は男性の地元の北海道まで一緒に行き、パスポートの申請代金や滞在費用などを負担。 出国当日は男性を空港まで見送り、航空機の座席に座った際や経由地の韓国に着いた際には写真を撮って報告するよう指示していたということです。 男性は山尾容疑者と直接話す中で海外で建築関係の仕事をする目的でカンボジアに渡航すると思っていましたが、カンボジアのプノンペンに到着後、「ニセ警察詐欺」の拠点に連れていかれたということです。 そして、およそ1か月にわたり毎日午前8時から午後6時まで「かけ子」をさせられ、拠点には他にも中国人や韓国人、東南アジアの人など200人ほどがいて、男性は詐欺のマニュアルの書き写しをさせられたといいます。 男性はその後、期待された成果を出せず、中国人の指示役とみられる男性から「日本に帰れ」と言われ帰国したということです。 男性は「拠点のかけ場にトー横で顔見知りの人がいた」とも話していて、警視庁は山尾容疑者が他にも複数人をカンボジアに移送させ、送りこまれた人物が特殊詐欺でだまし取った金額に応じて報酬を得ていたとみて調べています。 山尾容疑者をめぐっては、これまでに別の男性を海外に移送する目的で誘拐した疑いなどで3回逮捕されています。