フジの月9ドラマにはどんなイメージを持つだろうか。王道の青春ラブストーリー、群像劇で描くお仕事ドラマ、変わり者で破天荒な主人公と仲間の物語等々、名作も多いドラマ放送枠(月曜夜9:00、フジテレビ系)だが、そんな中で異彩を放つ作品というのが時折登場するのも面白い。竹野内豊と松嶋菜々子が主演の「氷の世界」(1999年放送)もそのひとつだろう。現在FODで配信中で、保険金殺人をテーマに、強く愛し愛された男女がお互いに大切にしているものを奪い合うラブサスペンス。複数の事件をめぐり登場人物たちが疑心暗鬼になっていく様子が穏やかでない、第8話を紹介する。(以下、ネタバレが含まれます) ■「青い鳥」「眠れる森」などの野沢尚が脚本を担当 ドラマ「氷の世界」は、野沢尚氏のオリジナル脚本で愛と疑念を描く。物語は、外資系保険会社の調査員である廣川英器(竹野内)が教師の転落死を調査するうち、被害者の同僚・江木塔子(松嶋)に連続保険金殺人の疑いが浮かび上がるところから始まる。英器は当初、塔子を疑っていたが、そのミステリアスな魅力に強くひかれ、塔子を信じるようになっていく。 ■刑事・烏城の狙いは真犯人をおびき寄せることだった 第8話のサブタイトルは「悲劇」。塔子の幼馴染・正午(金子賢)が重要参考人として町田南署に連行された。その晩、いつものバーで英器が飲んでいるところに烏城(仲村トオル)が現れる。烏城は真の狙いを英器に語る。「誰かが江木塔子を犯人に仕立てあげようとしている。犯人の目的はただ一つ。江木の人生を徹底的に破壊することだ」、と塔子以外の人間を逮捕すればきっと犯人は動き出すと烏城は睨んで正午を逮捕したのだった。 ■塔子を追う先でさらなる悲劇が起こってしまう 塔子の交際する男性が5年の間で次々と亡くなっているという事実に、英器はそこはかとない恐ろしさを感じつつも、塔子と会話して人間性を知るうちに愛するようになっていく。しかし、烏城は塔子への警戒を緩めぬよう警戒を促す。 そんな中、塔子がボイスチェンジャーで声を加工した電話を受けた直後に、ひとりで夜の公園に出かけていく。英器が塔子を尾行すると、あろうことか新たな殺人事件に出くわしてしまう。血が流れる被害者の横で呆然と英器を見詰める塔子。彼女が何を考えているのか、ますます理解不能になってしまう英器の表情が切ない。塔子という美しすぎる“疑惑の女性”に翻弄されていく人々の困惑ぶりをドキドキしながら見られる作品だ。