日本にやってきた技能実習生や留学生が妊娠を誰にも相談できず、1人で出産する「孤立出産」に陥り、罪に問われるケースが後を絶ちません。 2年前、福岡県内で孤立出産の末に乳児の遺体を遺棄し、有罪判決を受けたベトナム人の技能実習生がインタビューに応じ、当時の心境を語りました。 ■実習生開始から5か月後に「お腹がどんどん大きく…」 7月、RKBの取材に応じたのはベトナム人女性のAさん(22)です。 3年前、技能実習生として福岡市にやって来ました。 来日費用などで約150万円の借金を抱えていたため、給料のほとんどを返済に充てていたAさん。 経済的に厳しい状況の中、実習を始めてから5か月後に体に異変を感じ始めます。 技能実習生のベトナム人女性Aさん(22) 「日を追うごとにお腹がどんどん大きくなっていったので、妊娠したのかもと思いました。それに、お腹の中で何かが動いているように感じたこともあって、そのときに妊娠していると確信しました」 ■「妊娠したら即座に帰国処分」誰にも相談できず1人で出産し… しかし、Aさんはそのことを誰にも相談できませんでした。 ベトナム人女性Aさん 「ベトナムで面接のときに、『妊娠は禁止されている』との説明を受けました。 来日後も監理団体から再度『妊娠は絶対にしてはいけない』との注意喚起がありました。もし妊娠した場合は即座に帰国処分になると言われていたのです。 誰にも相談することができず、精神的に追い詰められた状態が続いていました」 「妊娠したら帰国」。 追い詰められたAさんは病院を受診することができず、交際相手の家でたった1人で出産しました。 赤ちゃんは死産でした。 ■出産で体力を消耗し失神 治療後に死体遺棄容疑で逮捕 ベトナム人女性Aさん 「出産した時、私の体力は限界に達していて大量に出血していました。あまりの出血の多さに、自分はこのまま死んでしまうのではないかと恐怖を感じたほどです。 意識ももうろうとして何も考えられず、紫色になった赤ちゃんを見て、涙が止まりませんでした。家の中で赤ちゃんを置いてあげる場所が見つからなくて、どうしていいか分かりませんでした。 目の前にゴミ箱があったので、そこに赤ちゃんを入れました。その後は、ゴミ箱の前に座ってずっと大泣きして、そのまま気がついたら意識がなくなって倒れていました」 知人に連れられて病院で治療を受けたAさんでしたが、その後に待っていたのは死体遺棄容疑での逮捕でした。 Aさんが逮捕されたというニュースはインターネットを通じて、ベトナムのふるさとにまで広がっていました。