再逮捕の現金回収役に複数アカウントから指示か 「闇バイト」強盗

首都圏を中心に相次いだ「闇バイト」が絡んだ強盗などのうち、2024年9月に東京都国分寺市で起きた事件に現金の回収役で関与したとして、警視庁捜査1課は18日、東京都足立区関原2、無職、木本康寛被告(31)=詐欺罪で起訴=を強盗致傷容疑などで再逮捕したと発表した。 捜査関係者によると、木本容疑者のスマートフォンを解析したところ、秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」で複数のアカウントから指示を受けていたことが判明。警視庁は、複数の人物から指示を受けていたとみて調べている。 再逮捕容疑は24年9月30日午前5時ごろ、実行役らと共謀して、国分寺市西恋ケ窪3の住宅に勝手口のドアガラスを壊して侵入。住人の60代女性を縛ってハンマーのようなもので殴って全治3カ月の重傷を負わせ、現金約865万円と財布やネックレスなど26点(41万円相当)を奪ったとしている。「強盗は分からないが、現金を運んだことは間違いない」と容疑の一部を否認しているという。 木本容疑者はX(ツイッター)を通じて闇バイトに応募。事件の約3時間後、足立区の公園のトイレで、実行役が奪った現金を別の現金回収役から受け取ったとみられる。「紙袋には約830万円が入っていた。妻に依頼し、埼玉県草加市内の公園のトイレまで運んでもらった」と供述しているという。 妻の未穂被告(31)は、横浜市青葉区の住宅で住人男性(当時75歳)が暴行を受けて死亡した事件の現金回収役を担ったとして組織犯罪処罰法違反などで起訴されている。 木本容疑者は北海道で特殊詐欺に関与したとして詐欺容疑で逮捕、起訴されていた。16日に移送され、警視庁に再逮捕された。 国分寺市の事件では、実行役として佐藤聖峻(きよたか)(25)と森田梨公哉(りきや)(25)の両被告らが逮捕された。佐藤、森田両被告への指示は「エヌバペジュニア」や「夏目漱石」というアカウント名からだった。【菅健吾、朝比奈由佳、松本ゆう雅】

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