男性たちから総額約1.5億円をだまし取り “頂き女子りりちゃん”に迫るフィクション作品が7月10日発売

第31回小学館ノンフィクション大賞受賞作、『渇愛 頂き女子りりちゃん』(宇都宮直子・著)が7月10日に小学館より刊行される。 同作は男性たちから総額約1億5000万円をだまし取り、逮捕された「頂き女子りりちゃん」に、女性記者が接見・裁判傍聴・関係者取材によって迫ったノンフィクション作品。 ターゲットとする年上の男性を「おぢ」と、彼らから金銭を詐取することを「頂き」と名付けたキャッチーさや、その手法を「魔法のマニュアル」として販売していたこと、だまし取った金をすべて歌舞伎町のホストクラブに勤務するホストにつぎ込んでいたこと、アッシュブロンドに染め上げたボブヘアに、ピンクを基調としたファッション――さまざまなエピソードや特異なキャラクターによって、逮捕から裁判、そして実刑判決まで一挙手一投足が注目を浴びた話題の事件を読み解いた1冊となっている。 著者の宇都宮直子氏は週刊誌で20年以上事件・芸能記者として活動しながら、東京・歌舞伎町に住み込んで「ホス狂い」を取材してきた女性記者。“りりちゃん”との面会や手紙のやりとりを重ね、裁判を傍聴するうちに、少しずつ心の距離が縮まり、記者でありながら共鳴する瞬間も。 以下、「第31回小学館ノンフィクション大賞」選考委員コメント ・酒井順子氏(エッセイスト) 「りりちゃんの孤独、騙された男性の孤独に迫るうちに著者もりりちゃんに惹かれて行く様子がスリリング。都会の孤独や過剰な推し活、犯罪が持つ吸引力など現代ならではの問題がテーマが浮かび上がって来る」 ・森健氏(ジャーナリスト) 「今日的なテーマと高い熱量。とくに名古屋に部屋を借りてまで被告人への面会取材を重ねる熱量は異様。作品としての力がある」 ・河合香織氏(ノンフィクション作家) 「書き手の冷静な視点とパッションの両者がある。渡邊被告がなぜりりちゃんになったかに迫るうちに著者自身もまたりりちゃんという沼に陥り、客観的な視点を失っていく心の軌跡が描かれているのが興味深い」

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