麻生久美子と塩野瑛久が共演するドラマ『魔物(마물)』(テレビ朝日系)が4月18日よりスタートした。 本作は、韓国ドラマ『梨泰院クラス』(2020年)を手がけたスタジオ・SLLと、同作の日本版『六本木クラス』(2022年/テレビ朝日系)を制作し、2024年5月にドラマを中心としたグローバルコンテンツの企画開発に関する協業協定を締結したテレビ朝日による、日韓共同制作の完全オリジナルラブサスペンスドラマだ。 本作から感じるのは、これまでとは一線を画す作品を作ろうとするチームの気概。トーンを落とした映像からは洗練さの一方で、シリアスな雰囲気も醸し出されており、多角的な空撮を含めたセンス溢れるカメラワーク、後半パートから徐々に不可思議な雰囲気を放っていく劇伴、そしてストレートなセリフや展開、さらに細かな人物設定が特徴的な脚本が、どちらかと言えば韓国ドラマに近くはあるものの、麻生と塩野をはじめとした日本の俳優陣が出演している画も相まって、韓ドラと日本ドラマのハイブリッドとも言うような、不思議な塩梅の作品になっている。竹内涼真が主演を務めた木曜ドラマ『六本木クラス』では、『梨泰院クラス』のリメイク作として日本ドラマのテイストに作り直し、Netflixを通じて世界に配信していたが、それとも異なる日韓共同制作のドラマとして世界に挑戦をしていくようだ。 第1話で印象的に描かれるのは、優秀さから将来を嘱望されるも孤独な弁護士・華陣あやめ(麻生久美子)と、“愛=所有”と信じる危うさをはらんだ男性・源凍也(塩野瑛久)の出会い。あやめは、とあるきっかけで知り合った夏音(北香那)から電話越しに「助けて」という怯えた叫びを聞き駆けつけるも、そこに現れたのは夏音ではなく、DVの疑惑がある夫・凍也だった。