麻薬王息子に不利な証言で報復か、元捜査官殺害 メキシコ

【AFP=時事】メキシコ当局は1日、麻薬王の息子に不利な証言を行った元連邦捜査官が、中部モレロス州で射殺されたと発表した。 殺害されたのは、元メキシコ連邦警察の捜査官イバン・モラレス氏。警察の報告によると、モラレス氏は4月30日の朝、妻とともに車でメキシコ市から約100キロ離れたテミスコ周辺を移動中に襲撃されたという。 モラレス氏は、メキシコの麻薬カルテル「ハリスコ新世代」の幹部で、今年3月に米国で終身刑を言い渡されたルベン・オセゲラ・ゴンザレス受刑者の裁判で、検察側証人として証言していた。 ゴンザレス受刑者の父親は、ハリスコ新世代のリーダーであり、1500万ドルの懸賞金がかけられているネメシオ・オセゲラ・セルバンテス容疑者。 現地メディアによれば、連邦検察は今回の事件について、報復による犯行の可能性もあると見て捜査を進めている。 ハリスコ新世代はメキシコで最も強力な犯罪組織の一つであり、米政府は同組織を外国テロ組織に指定している。 殺害されたモラレス氏は、10年前の2015年5月1日、メキシコの麻薬組織による最も凄惨な攻撃の一つを生き延びていた。 当時、西部ハリスコ州で行われたセルバンテス容疑者の追跡作戦中、兵士16人と連邦警察官2人を乗せた軍用ヘリコプターが撃墜された。9人が死亡した襲撃で、モラレス氏は燃え上がる機体から脱出に成功したものの、顔の一部が変形するほどの重度のやけどを負った。 この作戦ではセルバンテス容疑者の逮捕には至らず、現在も指名手配中となっている。【翻訳編集】 AFPBB News

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする