《ブラジル》「日本は安全」と投稿した翌日=千葉県で殺されたブラジル人研究者

「日本はとても安全な国。だから私はここに移住したい」とSNSに綴った翌日、ブラジル人女性アマンダ・ボルヘス・ダ・シルバさん(30歳)が、千葉県成田市のアパートで遺体となって発見された。日本の警察は、スリランカ出身の無職の男、アバイリヤ・パタワディゲ・パトゥム・ウダヤンガ容疑者(31歳)を放火の容疑で逮捕し、強盗殺人の可能性も視野に入れて捜査を進めている。火災はアマンダさんが暮らしていたアパートで発生し、彼女の遺体は焼け跡から発見された。 5月3日付ブラジル247サイトによると、容疑者はアパート内で火災が発生したことに気づいていたが、「ショックで火を消せなかった」と供述しており、燃え広がったことがアマンダさんの死に繋がった可能性がある。警察はアマンダさんのバッグや携帯電話がなくなっていることから、強盗目的の殺人の可能性が高いとみている。薬物の使用や性的暴行の有無についても捜査が進められている。 4日付UOLサイト記事によれば、アマンダさんの死因は煙による窒息の可能性が高く、警察が遺族に対してその旨を伝えている。彼女のいとこチアゴ・ボルヘス氏は「強盗殺人だった可能性が高く、遺体を隠そうとした痕跡もある」とメディアに語っている。 アマンダさんはゴイアス州カルダジーニャ市の出身で、言語学の修士号を持つ研究者。アジア各国を旅しており、F1鈴鹿グランプリ観戦に4月に訪日していた。滞在中には地方の街並みや新幹線の安全性に感銘を受け、「ここに住みたい」とSNSで語っていた。 新幹線に忘れたリュックが現金やパスポートごと無事に戻ってきた出来事にも驚きを隠さず、「本当に安全な国だ」と語っていた。亡くなる前日には母親と電話で話し、「日本にいると安心できる」と語っていた。5月末には帰国予定であり、故郷での新たな生活に希望を抱いていた。 ブラジル当局は迅速に動いており、5日付テラサイト記事によれば、ゴイアス州政府は遺体の搬送と葬儀支援を進めており、ブラジル外務省も日本当局と連携しながら領事支援を行っている。カルダジーニャ市も「夢に満ち、皆に愛された若者の死に深い悲しみを覚える」との声明を発表した。 日本に憧れ、安全を信じて訪れた女性の命が、異国の地で突然奪われた。警察は事件の全容解明を急ぐとともに、国際的な注目の中で治安維持と外国人保護の在り方が改めて問われている。

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