元刑事「殺意感じる。無差別犯行を疑わないと」東京メトロ切りつけ事件、乗客への注意喚起も

元埼玉県警捜査1課刑事の佐々木成三氏が8日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に出演し、7日夜の帰宅ラッシュ時に東京メトロの駅構内で起きた男による切りつけ事件をめぐり、元刑事の立場からコメントした。 7日午後7時ごろ、東京都文京区の東京メトロ南北線東大前駅から、何者かが刃物を振り回し、切りつけられた乗客がいるとの110番通報があった。警視庁によると2人がけがをし、いずれも意識はある。警視庁は、住所・職業不詳の戸田佳孝容疑者(43)を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕した。番組では、容疑者が電車に乗ろうとした男性に対し、無言で背後から頭部を切りつけ、男性が振り向いたところをさらに正面から切りつける様子がホームや電車内に設置された防犯カメラに映っていたなどと伝えた。被害者が容疑者とは面識がないと話していることや、容疑者が取り調べに対して黙秘しているとも報じた。 佐々木氏は、容疑者について「殺意があったというふうには感じます」と指摘。「まだ動機が解明できていないが、被害者が『接点がない』と言っている以上、無差別な犯行を疑わないといけないと思う。容疑者の犯行前の行動も、無差別的な犯行を裏付けるためには重要な捜査になる」と指摘した。 過去にも電車内などでの犯行が起きており、鉄道会社側もさまざまな対策を講じているが、佐々木氏は「覚悟を持った容疑者には、防犯カメラはあまり抑止効果にはならない。いかに危険察知を、駅員の方や乗客の方もできるかどうか」と指摘。「刃物だけなのか、犯人は何を持っているか分からない。武術を持っている私でも、刃物を持つ人物がいたら立ち向かえないと思う」と、今回のような事件が起きた際の対応の難しさに触れた。 一方で「いちばん危険だと思うのは、警告音が鳴っているのに、事案が分からないから現場を見に行ってしまうこと。爆弾や拳銃を使われたら、遠くからは分からない。近寄らず、こういう事案では逃げる事を優先してほしい」と訴えた。 「一般の方に求めるのは難しいレベルというふうには感じますが」とした上で「個人の危険察知が重要。異常な行動があれば、自分から距離を取ることで守れるものはあると思う」とも呼びかけた。

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