東京メトロ南北線東大前駅(東京都文京区)で男性が切り付けられた事件で、殺人未遂の疑いで現行犯逮捕された戸田佳孝容疑者(43)が、犯行の30分ほど前に同駅の改札を入場し、男性を3回にわたり切り付けていたことが8日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁は戸田容疑者が逃げる男性を追いかけ、執拗(しつよう)に襲ったとみて調べている。 捜査関係者によると、戸田容疑者は7日午後6時25分ごろに東大前駅の改札を入場し、ホームのベンチに座るなどしていたという。切り付けられた大学生の男性(20)は、同日午後6時45分ごろに同駅の改札を入場した。 事件は約10分後の午後6時55分ごろに発生。戸田容疑者は、日吉行きの列車(6両編成)の先頭車両に乗り込もうとした男性に対し、刃体約15センチの包丁で後ろから切り付け、乗車後も追いかけてさらに2回切り付けたとみられる。 男性は額や首などに切り傷を負った。犯行前に戸田容疑者との接点はなく、面識は確認できていない。車内で戸田容疑者を取り押さえた乗客の30代男性も右指にけがをした。 当初は女性がけがをしたとの情報が出るなど、現場周辺は一時騒然とした。