たしかな技術と歌舞伎への情熱で次世代を牽引する尾上右近。彼が毎年夏に開催している自主公演「研の會」が今年も上演される。今年は右近が「かけがえのない仲間」と呼ぶ同い年の盟友・中村種之助とガッツリ組む2演目をセレクト。40年ぶりに上演される『盲目の弟』と、舞踊劇『弥生の花浅草祭』を届ける。この演目にかける思い、同期・種之助への思いをたっぷり語ってもらった。また、もともと「大歌舞伎ではできない役に挑戦したい」という思いで始めた「研の會」だが、近年は次々と大役を勤め、歌舞伎座などの大舞台でも真ん中に立つことが珍しくなくなってきた今、右近にとって「研の會」はどういう存在になっているのか――。彼を取り巻く環境を聞くうちに、右近の歌舞伎に対する純粋な愛情が垣間見えてきた。