日本大学アメフト部での薬物事件への対応をめぐり、元副学長が林真理子理事長から辞任を強要されるなど、パワハラを受けたとして賠償を求めた裁判で、東京地裁は元副学長の訴えを退けました。 ■林理事長VS沢田元副学長 パワハラを巡り1000万円の損害賠償 「新しい日大」を掲げて2022年に就任した、林真理子理事長。 その1年後に起きたのが、「アメフト部の薬物事件」です。 ただ、このとき… 日本大学 林真理子 理事長(2023年8月) 「一部のマスコミで報道されている、違法な薬物が見つかったとか、そういったことは一切ございません」 その6日後… 日本大学 林真理子 理事長 「学生が一人逮捕されました」 薬物の疑惑があったにも関わらず、“理事長に報告しなかった”とされたのが、沢田康広元副学長です。 沢田康広 元副学長 「パッと見よく分からない。ただ大麻のカスかもしれないとは思いました」 日本大学 林真理子 理事長 「私の方に上がる事案ではないと、沢田副学長が認識したと思っております」 この会見以降の対応をめぐり、沢田元副学長が林理事長を訴える事態に。 沢田元副学長側(訴状より) 「全ての責任が沢田副学長にあるかのような印象操作をされた」 会議への出席を禁じられ、辞任を強要されるなどの「パワハラを受けた」として、1000万円の損害賠償を求めていました。 林理事長のパワハラは認められたのでしょうか。 ■「パワハラにはあたらない」と棄却 副学長は控訴する意向 5月9日、東京地裁は、林理事長の言動について「パワハラにはあたらない」と判断し、訴えを退けました。 原告の沢田元副学長は「ルールを全く無視した不当な判決」とした上で、「気に入らない人間を自由に排除できる、不当な結論になります」と、「控訴」する意向を示しました。 判決に、日大の学生は… 日本大学 2年生 「(パワハラが)認められなくて良かったかなと思います。これ以上問題を増やしたくないというか」 日本大学 2年生 「他の大学で問題があったとしても『日本大学で問題があった』という方が、どうしても注目されてしまう。今そういう立場にあるので」 日本大学 3年生 「少なくとも一旦決着がついたっていう意味では、個人的にはちょっと安心するというか、嬉しい気分ではいます。(林理事長が)新しく日大をやっていくって言うんだったら、頑張ってほしいと思います」