「動物を傷つける者はいずれ人も殺す」は本当なのか? ウサギを蹴り殺す、ハトを解体する……動物虐待の深層

今年の前半、やけに猟奇的な動物虐待のニュースが相次いだ。実際に、警察庁のデータでも動物虐待の検挙事件数はここ数年で急増しているという。いったい日本の動物たちに何が起きているのか? 保護センター、虐待を告発するNPO団体、そして犯罪心理学者に取材し、動物虐待の実態に迫る! * * * ■ウサギにハト……連続する猟奇的虐待 今年に入って動物虐待のニュースが相次いでいる。 1月、「ウサギの島」として知られる広島県竹原市の大久野島で、25歳の男がウサギを蹴り飛ばしたとして、動物愛護管理法違反容疑の現行犯で逮捕された。 島には数百匹の野生のウサギが生息しているが、昨年11月から、脚が折れていたり、鼻から血を流していたりする不審死が続いていた。環境省が確認した限りでは、その件数は99件にも上る。 明らかになった範囲で、男はそのうち7匹のウサギを虐待したとして起訴され、4月14日に懲役1年、執行猶予3年の判決が言い渡された。男はウサギの頭を踏みつける、その口にハサミを入れるなどの虐待を加え、その様子の動画撮影も行なっていた。 さらに翌月には、野生のハトを捕獲して自宅などで虐待したとして、神奈川県川崎市に住むタクシー運転手の男(49歳)が動物愛護管理法違反などの疑いで逮捕された。トリのマスクをかぶり、ケージの中のハトをむちで叩いたり、ハサミで頭部を切断したりして、その動画を複数回にわたってSNSに投稿していた。 こうしたニュースから受ける印象どおり、警視庁のデータによれば、動物虐待の検挙事件数は近年増加傾向にある。2015年には56件だったが、2023年には181件に増え、過去最多を記録。2024年は160件に微減したが、依然高い水準だ。 なぜ今、検挙数が増えているのか? まずは保護された動物の行方を追った。

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