11日、千葉市の住宅街で高齢の女性が複数回、背中を刺され死亡した事件。逮捕されたのは中学3年の男子生徒でした。「誰でもいいから殺してやろうと思った」と供述しているということです。 逮捕された生徒の父 「実際問題、人が亡くなっているので申し訳ない気持ちがある。通常では起こるとは思っていない事態なので、受け止められない」 逮捕された生徒の祖父 「『誰でもよかった』なら、私を殺せばよかった。やりようがない、謝りようがない」 事件が発覚したのは、11日午後5時すぎ。通行人からの110番通報でした。 通行人から110番通報 「年配の女性が倒れている。意識、呼吸がなく、側頭部から出血している」 女性は近くに住む無職の高橋八生さん（84）。警察によりますと、高橋さんは頭から血を流して横向きに倒れていて、背中には刺し傷があったということです。 高橋さんは意識不明のまま病院に搬送され、午後6時半すぎ、死亡が確認されました。 現場はJR千葉駅から直線で5キロほど離れた住宅街。 警察は近くに住む中学3年の男子生徒の身柄を確保し、12日午後、逮捕しました。男子生徒は、面識がない高橋さんの背中を刃物のようなもので刺して殺害した疑いがもたれています。 捜査関係者によりますと、男子生徒は…。 中学3年男子生徒 「誰でもいいから殺してやろうと思った」 捜査関係者によると、刺し傷は複数あり、高橋さんは現金を所持していたといいます。 父親は男子生徒の最近の様子について…。 逮捕された生徒の父 「（事件当日は）午後8時くらいに夜ごはんを食べていた。行動が変とか、ソワソワしているとか、そういう様子はなかった。小学校の時はいたって普通。前は明るかった。小学校までは仲良かったけど、中学からはそんなに話さない。『干渉されるのが嫌』だと。『（先生から）学校の生活態度も悪くなってますよ』とはいわれた。（Q.変化の原因）実際問題わからない」 家族などによりますと、男子生徒は家出などの問題行動を重ねるようになり、月に一度ほどの頻度で警察署に行っていたといいます。 逮捕された生徒の父 「（警察が）次やったら“捕まっちゃうよ”とか言ってくれていた。悪いことする抑止的な部分もあるかと思い、やっていたんですけど、何の結果にもならなかった。私を殺すほうがよっぽどよかった。もう何も言えない。（Q.本人には？）言葉が探せない…出てこない…」 11日夕方まで高橋さんは自宅にいたということですが、その後、命を奪われました。家族は、高橋さんが自宅に帰ってこないと、警察に届け出ていたといいます。 高橋さんの知人 「挨拶をしたら必ず笑って、優しい静かな方だったと思う」 高橋さんには争った時にできる傷がなく、突然襲われた可能性もあります。 記者 「事件が発生したのと同時刻の現場です。日もまだあり、見通しも良い道路となっています」 近くの住民 「無差別っていうのがもし自分の子どもだったらと思ったら、気軽に外に遊びに行かせられないし、学校に行かせるのも怖い」 現場から凶器は見つかっていませんが、警察は男子生徒の自宅から刃物を押収。家宅捜索の際、男子生徒は自宅にいたということです。 男子生徒は「まちがいないです」と容疑を認めていて、警察は事件のいきさつを調べています。