「おにぎり食べたい」書き残し餓死…行政が“生活保護バッシング”に加担し惨劇相次いだ「ヤミの北九州方式」問題から学ぶべき教訓

インターネット上で「日本人はおにぎりが食べられず餓死するのに、外国人は簡単に生活保護を受けられる」といった言説を見かけることがあります。後段が明白なデマであることはさておき、前段の「おにぎりすら食べられず」という言い回しには、元になった事件があります。 2007年夏に報じられた、福岡県北九州市小倉北区で52歳の男性が「おにぎり食べたい」と書いた日記を残して餓死した、いわゆる「小倉北餓死事件」です。 実は、この事件は当時、北九州市で発生した数ある悲劇の一つに過ぎませんでした。同市内では2005年以降のわずか3年間に、生活保護を受けられなかったことによる餓死や、生活保護廃止後の自死といった事件が相次ぎ、問題になったのです。その後の生活保護行政のあり方を問う重要な契機となりました。 当時の北九州市には、「ヤミの北九州方式」と呼ばれる独特の生活保護制度の運用システムがあったと指摘されています。この記事では、かつて北九州市で相次いで起きた3つの痛ましい事件を振り返りながら、「ヤミの北九州方式」の実態と、そこから私たちが得るべき「教訓」について考えます。(行政書士・三木ひとみ)

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