ICCに拘置のフィリピン前大統領、地元市長選で圧勝 就任の可能性は

(CNN) フィリピンの中間選挙で、ロドリゴ・ドゥテルテ前大統領(80)が地元・南部ダバオの市長選を大差で制した。ドゥテルテ氏は人道に対する罪の疑いで逮捕され、現在オランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICC)に拘置されている。市長への就任を認められ、職務を遂行できるのかどうかは定かでない。 ICCの検察官によると、ドゥテルテ氏は大統領時代、罪のない市民ら数千人が死亡したとされる「麻薬戦争」を率いた疑い。本人は麻薬取り締まりの成果を強調する一方で人権侵害の容疑を否定し、国外の裁判所には従わないと繰り返し表明してきた。 次回の審理は9月の予定。だが専門家によれば、その前にICCとフィリピン司法当局の間で、同氏の市長就任を認めるかどうかをめぐり新たな法律論争が展開される見通しだ。 ビデオ通話などで代理人を通して就任宣誓する形も考えられるが、ICCの承認が必要だ。 たとえ就任が認められたとしても、遠く離れた拘置施設からどのように職務を遂行するのかという問題がある。施設内でコンピューターを使ったり、家族に電話をかけたりすることはできるが、インターネットにはつなげない。 フィリピン国内法によると、日常の職務は副市長に選出された次男、セバスチャン・ドゥテルテ氏が代行することも考えられる。 父ドゥテルテ氏の就任宣誓が許可されなければ、次点のカルロ・ノグラレス氏が繰り上がる可能性もある。ドゥテルテ家とノグラレス家は長年、ダバオで主導権を争ってきたライバル同士だ。 アテネオ大学ダバオ校の元教授で政治アナリストのラモン・ベレノ氏は、ノグラレス氏を繰り上がらせれば、ドゥテルテ家がまた別の法的手段に出る可能性もあると指摘する。

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