千葉県のアパートで起きた刃物を持った男による立てこもり事件。現行犯逮捕されたのは32歳の男でした。 ■現場緊迫!室内に母親と妹 田畑が広がり住宅が点在するのどかな現場。 警察官と救急隊が行き交う物々しい雰囲気に包まれます。 近隣住民 「まさかこんなところであると思っていなかった」 確保されたのは32歳の男。その瞬間、何があったのかが分かってきました。 通報があったのは20日午前6時40分ごろ。のちに確保された男の兄からでした。 110番通報 「包丁を持って立てこもっている」 現場は千葉県の船橋駅から北に4キロほどにあるアパート。 2階建てのアパートの1階部分で立てこもりが起きました。 同じアパートの住民 「普段から静かな家庭だと思うので、ちょっと今回びっくりしている。その時間、仕事帰ってきて起きていて、そのまま寝てしまった。逆に言えばそれくらい静かだったということなので、まさか下でそんなことが起きているというのは分からなかった」 捜査関係者によると、32歳の男がアパートの一室に刃物のようなものを持って立てこもりました。 部屋には32歳の男の他に、59歳の母親と27歳の妹がいるということです。 男は「警察が立ち去らないと殺す」と話していました。 以前現場となっているアパートにピザを宅配した人がいました。 「複雑でここから行くと2階になる。下にも入り口があって公園側が1階、ここからが2階。2階だけでも右左で3、4つ扉があるので、2階だけでも6世帯くらいあった」 空からの映像で見ると、どこの部屋かは分かっていませんが1階の部屋はシャッターが閉まっている部屋も見えます。 午前中、警察官や救急隊が現場を行き交います。特殊部隊でしょうか。現場を見ながら打ち合わせをしています。少し離れた場所には医師と看護師らの姿も見えます。 通報から5時間がすぎ、現場が徐々に動き出します。 毛布を持って隊員が中に入っていっています。男が灯油をまいたという情報もあり、現場は緊張感が高まります。 確保1時間前。ヘッドライトを付けた特殊部隊でしょうか。アパートの前に続々集まります。 ■「降参します」立てこもり男逮捕 午後1時すぎ、現場が大きく動き出します。 ヘルメットをかぶった特殊部隊でしょうか。身をかがめ小走りで現場に向かいます。 別角度のカメラで見ると階段を下りる7人の警察官の姿が見えます。ただ、その1分後、3人が戻ってきます。 アパートを所有する会社の従業員 「(Q.仲良く会話しながら歩いている?)いや全くない。普通の家庭ではないかな。家族じゃないかなって雰囲気。あいさつもしないのでコミュニケーションはゼロ」 そして10分ほど経つと、現場ではブルーシートが大きく張られました。 男の身柄が確保されました。男の母親と妹にけがはなく無事保護しました。 そして、その直後。ブルーシートが取り払われ捜査員に囲まれた長髪の男が姿を見せます。 スウェット姿でしょうか。捜査員に話し掛けられ2度ほどうなずきます。 和田敢士容疑者(32)。監禁の疑いで逮捕されました。 男はアパートに被害者2人と兄と4人で暮らしていました。 同じアパートに住む人 「転居してきた時に一度ごあいさつ頂いたくらい。それ以上分からない」 「(Q.あいさつは誰が?)多分お母さん。一番上の方。50代とかそれくらい」 「(Q.どれくらい前?)4~5年前くらい」 突入の直前、「降参します」 と言い部屋のドアを開けたところ、確保されました。 警察は男と電話で連絡を取っていたということですが、どのように説得したのでしょうか。 元埼玉県警 捜査1課 佐々木成三氏 「やみくもに興奮させないということ、『出てきなさい』とか『刃物を捨てなさい』などではなく、相手とのコミュニケーション、会話を重視し会話を途切らせない。ネゴシエーターはずっとやっている。7時間かかったが、この結果を踏まえると僕は立てこもり捜査は100点だったと感じている」