ベトナム人グループが組織的にドラッグストアなどで万引きを繰り返したとされる事件で、警視庁などの合同捜査本部がベトナムの首都ハノイにいる指示役とみられる男女2人について、窃盗容疑で逮捕状を取ったことが捜査関係者への取材で判明した。合同捜査本部は、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配する。 捜査関係者によると、19日付で逮捕状を取ったのは、いずれもベトナム国籍のグエン・バ・タイン(31)とグエン・トゥ・フェン(29)の両容疑者。 2人は実行役らと共謀して2024年9月、長野県内の3店舗で化粧品など33点(18万円相当)を盗んだ疑いが持たれている。実行役に主にベトナムで使われる通信アプリ「Zalo」で指示を出したとみられる。 グループは数年前から1都9県で約150件の万引きを繰り返していたとみられ、被害額は約1600万円に及ぶという。逮捕された実行役らの供述や押収したスマートフォンの解析などから指示役とみられる2人を特定した。 合同捜査本部は24年11月、千葉、埼玉、大阪の3府県にある盗品の保管拠点を家宅捜索した。指示役とされる2人は、通信アプリで日本国内での実行役を募り、保管役のいる拠点に盗品を発送させて集積。運搬役に航空機の手荷物などとしてハノイの関係先に持ち込ませ、転売していたとみられる。 19日には、長野県の事件の被害品を自宅で受け取ったとして、千葉県松戸市のベトナム国籍の30歳の夫婦を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等収受)の疑いで逮捕した。一連の事件での逮捕者は12人となった。【松本ゆう雅、菅健吾】