*本稿は、当初米国時間5月16日に公開され、5月18日に更新された。 Netflixの新ティーンドラマ『フォーエバー』は、新しい大型シリーズが並行してスタートしたこともあって、ランキングで首位を獲得できなかった。代わりに首位を獲得した番組は今のところ、Rotten Tomatoesにおいて、すべての批評家たちから高評価を獲得した。 その番組は、脚本があるドラマではない。ドキュメンタリーシリーズの『アメリカン・マンハント:オサマ・ビンラディン』である。同番組は、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロの首謀者であるテロリストのリーダー、オサマ・ビンラディンの追跡と最終的な殺害を描いたドキュメンタリーだ。ビンラディンは9.11以前から知られた人物であったが、同時多発テロ直後に開始された複数の米国省庁による捜索で、アメリカ政府の最重要ターゲットとなった。この作戦には10年近くを要し、そこで起きた多くのことが1話1時間、全3話のミニシリーズとして描かれている。 今回、同番組が獲得した100%というスコアは、これまでにNetflixが公開した『アメリカン・マンハント』シリーズの他の2作品とほぼ同じだ。『アメリカン・マンハント:O・J・シンプソン』は100%のスコアを獲得し、『アメリカン・マンハント:ボストン爆破テロ事件』は89%だった。これらの作品に共通するのは、いずれも当時Netflixで最も視聴されたシリーズのひとつとしてランクインしたにも関わらず、少数の批評家しかレビューしていないことだ。 『アメリカン・マンハント:オサマ・ビンラディン』には、貴重な映像やCIA関係者のインタビューが収録されている。同じテーマを扱ったドキュメンタリーはたくさんあるが、同番組に収められた貴重映像の数々は、初めて人々が目にするものも多いことだろう。同番組はNetflixの『アメリカン・マンハント』シリーズのひとつとして、Netflixの視聴者ベースの多さもあり、同じテーマを扱った他の類似ドキュメンタリーよりも多く視聴されることになるだろう。 Netflixは、『アメリカン・マンハント』シリーズが次にどの事件を取り上げる予定なのか発表していない。ひとつ思い浮かぶのは、2002年にワシントンD.C.で発生した連続狙撃殺人事件だ。この事件では、同地域を恐怖に陥れた犯人の逮捕に時間がかかり、広範囲で激しい捜索が行われた。また、現在も法的手続きが進行中であることを考えると可能性は低いが、2024年12月4日にユナイテッド・ヘルスケアCEOのブライアン・トンプソンが殺害された事件で、銃器使用による殺人やストーカー行為、銃器にまつわる違法行為など連邦法に違反した罪に問われているルイージ・マンジオーニの事件も考えられる。彼の裁判はまだ始まっておらず、有罪判決には至っていない。 『アメリカン・マンハント』シリーズが好調を維持していること、そして各作品が約3エピソードで構成されていることを考えると、Netflixは今後も必ずシリーズの最新作を作り続けることだろう。同じく犯罪事件を扱うNetflixのドキュメンタリーには、『アメリカン・マーダー』シリーズもある。何と言えば良いか迷うが、人々は良くも悪くも本当の犯罪が大好きなのだ。