警察庁は21日、外国人が母国の運転免許を日本の免許へ切り替えられる「外国免許切替(外免切替)」制度について、住所確認を厳格化するため原則として住民票の写しの提出を求める方向で検討していると明らかにした。自民党の「外国人との秩序ある共生社会実現に関する特命委員会」の会合で説明した。自民は外免切替で日本の免許を取得した外国人による重大事故が相次いでいるとして、早急な見直しを求める。 警察庁によると、現状は住民票がなくても旅券と一時滞在証明書で外免切替が可能だが、国外に転出している日本人や外交官らを除き住民票の写しによる住所確認を原則とする。知識確認(筆記試験)はイラスト問題で10問中7問の正解で合格だが、問題数を増やすなどして審査を厳格化する。 外免切替制度は、短期滞在の外国人が滞在先のホテルを住所として免許を取得できることや知識確認の簡易さが問題視されている。埼玉県三郷市の児童ひき逃げ事件で逮捕された中国人の男や、三重県亀山市の新名神高速を逆走し接触事故を起こしたペルー人の男も外免切替で免許を得ていたことが判明している。 自民の小野寺五典政調会長は特命委の会合で「日本に住む私たちの安心・安全を脅かす重大で危険な事故が発生している」と指摘した。 小野寺氏らは21日、会合に先立ち、東京都内の運転免許試験場を視察した。視察に同行した新藤義孝政調会長代行は、外免切替制度について「警察庁は2年ほど前からさまざまなことを検討しているが、可及的速やかに結論を得るように促していく」と記者団に強調した。