森保一監督「サッカー界から葬り去るのか」 佐野海舟のサッカー日本代表復帰について「再チャレンジする道を」

JFA(日本サッカー協会)は23日、来月のFIFAワールドカップ26 アジア最終予選(3次予選)に臨むサッカー日本代表のメンバーを発表した。会見に出席した山本昌邦ナショナルチームダイレクター(ND)と森保一監督が、MF佐野海舟の招集について説明した。 すでにW杯本大会出場を決めている日本代表。選手達にとって、本大会へのメンバー入りを懸けたサバイバルが始まっている。来月のインターナショナルマッチウィークでは、5日にオーストラリア代表、10日にインドネシア代表との対戦が控えている。そんな2連戦に、森保監督は初招集の選手を7人加えるなど、大幅にメンバーを変更した。 そのなかで、鹿島アントラーズから1.FSVマインツ05へと移籍が確定した直後の昨年7月に不同意性交の容疑で逮捕され、その後不起訴になった佐野海舟もメンバー入り。移籍1年目で抜群の存在感を発揮し、ブンデスリーガ最長の走行距離を記録するなど、6位でフィニッシュしたチームを中盤で支えた24歳が代表復帰することとなった。 山本NDは、佐野の一連の問題から今回招集に至ったことついて「JFAのスタンスは、サッカー界としてあらゆる差別や暴力、ハラスメントは一切許容しない」としたうえで、次のように丁寧に説明した。 「1つ目は、相手の方に対して謝罪と話し合いを確認したこと。2つ目に、本人が深く反省していること。そして3つ目に、不起訴処分という判断が検察によって下されたこと。刑事事件としては罪に問われずに終了していること。それらを踏まえて選出をいたしました」 森保監督も「私自身もコンタクトをとりました。彼が深く反省していることを強く感じた。そのうえでチームに迎え入れ、社会に貢献する日本代表の一員として戦ってもいいという判断をさせていただいた」と説明。続けて「私自身もいろいろ考えてきましたし、協会の方々ともいろいろな話をしながら今日に至った」と明かし、こう続けた。 「ミスを犯したと言えるかもしれないが、チームのことを家族と考えた時に、指導者として一人の選手として向き合う中で、ミスをおかした選手を社会から葬り去るのか、サッカー界から葬り去るのかというところで、再チャレンジする道を、家族として与えたほうがいいのではないかということで選びました」 今季はリーグ戦全34試合に先発し、デュエルの強さと中盤でのボール奪取能力の高さを証明した佐野。6月の代表シリーズでは、注目度が高まっているなか、どのようなプレーを見せてくれるのだろうか。 (取材:水野裕介、文・構成:編集部)

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