「音楽を聴いていたところ母親に注意され怒り」…32歳男「逮捕直後の冷たい視線」専門家が指摘する闇

「警察が立ち去らなきゃ殺すぞ!」 アパートに立てこもった男は、こう叫び周囲の警察官を威嚇した――。 5月20日に千葉県警捜査一課は、監禁の疑いで船橋市に住む無職・和田敢士容疑者(32)を現行犯逮捕した。和田容疑者は、同日朝から同居する母親(59)と妹(27)を人質に自宅アパートの一室に立てこもり。取り囲む捜査員を大声で威嚇したという。 「和田容疑者と同居する兄から『包丁を持って部屋に立てこもっている』と110番通報が入ったのは、20日の朝6時半過ぎです。和田容疑者は包丁を持ち、7畳ほどの部屋に立てこもっていました。 当初は警察の電話による説得にも応じず『(母親や妹を)殺すぞ!』と息巻いていましたが、約7時間後の午後1時半に投降。『降参します』と言って部屋を出てきたそうです。警察官が現場を検証すると灯油がまかれた形跡もありましたが、ケガ人はいませんでした」(全国紙社会部記者) ◆「逆ギレしたのかもしれません」 和田容疑者の一家が現場のアパートに引っ越してきたのは3~4年ほど前。近隣住民からの印象は薄かったようだ。 「母親と妹が出かける姿を見た住民はいましたが、和田容疑者を目撃した人は皆無。仕事もなく、アパートに引きこもっていたようです。犯行動機について和田容疑者は、警察に対し『リビングで音楽を聴いていたところ母親に注意され怒りを覚えたから』と供述しています。家族間でなんらかのトラブルがあったのかもしれません」(同前) 本誌カメラマンは逮捕直後の5月21日に行われた和田容疑者の送検を撮影。感情の消えたような表情で、冷たい視線をカメラに向けていた。 元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が、和田容疑者の心の闇について解説する。 「母親の立場からすれば、仕事につかず家でゴロゴロする30代の息子がいれば注意したくもなるでしょう。容疑者が無職だとしたら、一家の生活ぶりも決して裕福ではなかったでしょうから。 容疑者も、家に引きこもることに鬱屈した心の闇を抱えていたと思います。自身の非を母親に指摘され逆ギレしたのかもしれません。今回の犯行は他人事ではない。容疑者の不満が家族でなく外部に向けば、『自分がツラいのは社会のせいだ』と身勝手な怒りに駆られ無差別の殺傷事件になるケースも考えられるんです」 今回の事件でアパートの住民たちは一時的に避難。近隣の公園などで予定されていたイベントはすべて中止となった。

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