指名競争入札の予定価格を業者に伝えた疑いで、現職の大分市議会議員が逮捕されたことについて、足立市長が取材に応じ事実確認を急ぐ姿勢を示しました。 足立信也大分市長: 「個人的な問題なのか、習慣的な問題なのか、事実関係の確認が1番大事だと思う。報道がなされて市民の皆さんが不安に思われているでしょうから、その点についてはしっかりお詫びしないといけない」 取材に対し、そう答えた足立市長は速やかに関係職員に聞き取りをして、事実確認をする意向を表しました。 24日に大分地検に身柄を送られた、現職の大分市議会議員で自民党会派に所属する、山本卓矢容疑者。 2024年5月に大分市が発注した公園除草業務の指名競争入札で、予定価格を業者に伝え、近い価格で落札させた公契約関係競売入札妨害の疑いで23日に逮捕されました。 警察は、山本容疑者の認否を明らかにしていませんが、市の職員から聞き出した10数件の予定価格を、同じく逮捕された廣瀬幸一容疑者(85)と娘の阿南美幸容疑者(59)が役員を務める大分市の造園会社「ヒロセ」に伝えたとみています。 一方大分市議会は26日午後、議会の活性化を図る会議を開きました。 下野アナウンサー: 「山本容疑者も委員の1人を務めますがきょうここにその姿はありません」 会議の冒頭山本容疑者の欠席が伝えられましたが、出席した議員からは特に意見は出ませんでした。 大分市が発注する競争入札をめぐっては、2025年2月に現職の職員も逮捕されていて市が再発防止策を出しています。 現職の市議が逮捕された今回の入札妨害事件。その構図から見ていきます。 警察によりますと、逮捕された親子が役員を務める大分市の造園業者「ヒロセ」が山本容疑者に予定価格を教えるよう依頼。 それを受けて山本容疑者は、大分市の職員に聞いたあわせて10数件の価格を会社に伝えた疑いが持たれていて2件はヒロセが実際に落札しています。 そのうち、2024年5月に発注された指名競争入札では、予定価格が約289万円だったのに対し落札額は1万円低い288万円。落札率は99.6%でした。 大分市が発注する指名競争入札を巡っては市の職員らが逮捕されるなど、2025年2月にも別の談合事件が起きています。 事態を重くみた大分市は、再発防止策としてこれまで非公表としていた入札予定価格を事前に公表するようになりました。 ただ、これを懸念する声もあります。 おおいた市民オンブズマンの永井敬三理事長は「職員が予定価格を漏らすリスクが減る一方落札額が高止まりして税金が無駄に使われるのではないか」と指摘しています。 今回の事件について警察は、複数の市の職員からも事情を聴いていて実態の解明を進めています。