5月12日、芸能界を引退したはずの中居正広氏(52)が代理人弁護士を通じて、フジテレビの第三者委員会による調査報告書に対する反論を発表。波紋が広がっている。 中居氏の代理人は本人に詳細な聞き取り調査をしたうえで、 《『性暴力』という日本語から一般的に想起される暴力的または強制的な性的行為の実態は確認されない》 と主張。中居氏の人権救済のために第三者委員会に証拠の開示を請求した。 今年1月9日、中居氏は事務所の公式サイトに“詫び状”を掲載。女性との間にトラブルがあったことを認めながらも《一部報道にあるような手を上げる等のような暴力は一切ございません》と暴行を否定していた。 どうやら、中居氏は女性との行為に同意があったと思ったと主張したいようで、これは性加害の加害者側がよく用いる弁明だ。 しかし、“相手が強く抵抗しなかったから同意があったと思った”という言い訳は通用しない。一般論として、暴力的でなかったにしろ、相手が望まない性行為は“性暴力”となるからだ。 そもそも中居氏は引退を発表した際、自分でこう綴っているではないか。 《全責任は私個人にあります。(中略)改めて相手さまに対しても心より謝罪申し上げます》 いったんは自分の非を認めておきながら、なぜ中居氏は今になって反論を始めたのか。スポーツ紙記者が言う。 「中居さんは(芸能界に)戻りたいようだ、という話が流れています。業界にはまだ中居さんを支持する人がいますし、中居さんと仲が良かったタレントが擁護するような発言をしていたり、テレビ局の社員の中にも“また一緒に仕事がしたい”と言っている人がいるのは確かです。 そういう人たちが後押ししているのではないでしょうか。熱心な中居さんのファンたちも第三者委員会の報告を信じておらず、中居さん支持を止めていません」 中居氏の「復帰待望論」が一部で持ち上がっていることが、反論を後押ししたのだろう。 ◆5月23日には中居側が再反論も だが、現実的に復帰は厳しいと言わざるを得ない。キー局の関係者は「この期に及んでの反論は逆効果では」と言うのだった。 「中居さんがどんなに反論しようとも、(同意があったと)女性が認めない限り覆ることはないですし、女性が認めるわけがない。だいたい、示談で済んでますけど、逮捕されてもおかしくない事件ですよ。イメージ商売の芸能人として致命的だと言わざるを得ません。 Xさんの件だけでなく、芸人たちと一緒に女性アナをホテルの一室や自室に呼び出して、夜な夜な飲み会を行っていたことも明らかになりました。そんな人をテレビに出すことができますか? この番組は“中居さんじゃなきゃ”というアドバンテージはすでになくなっています。仮に大きな力の後押しがあったとしても復帰は不可能です。ファンが反論を応援しても、“往生際が悪い男だ”と思う人のほうが多いでしょう」 中居氏サイドは5月26日までに証拠の開示を求めていたが、フジテレビの第三者委員会は22日《ご請求をいただいた資料につきましては、開示を差し控えます》と回答。 “6時間にわたり誠実に回答した中居氏の発言が反映されていない”という中居氏サイドの主張に対して、 《中居氏には当委員会のヒアリングにおいて長時間にわたり真摯にご協力いただいたものと考えており、中居氏の証言内容や証言態度についても、重要な証拠として十分に吟味して事実認定をしております》 としたうえで《当委員会の事実認定は適切であったと考えております》と断じた。 第三者委員会の回答に対し、中居氏側の弁護士は5月23日、《釈明要求に全く答えておらず到底承服できない》と、中居氏へのヒアリング時の音声データなどを開示するよう再度求めている。 フライデーデジタルは中居氏の代理人が所属する東京丸の内法律事務所に、“なぜこのタイミングで第三者委員会への反論になったのか?”と質したが、期限までに回答は得られなかった。 反撃を決意した中居氏が見据える先には、いったい何があるのだろうかーー。 取材・文:佐々木博之(芸能ジャーナリスト)