障害者向けアプリでぼったくり疑い4人逮捕 サウナ店で8時間監禁も

障害者向けのマッチングアプリで出会った男性をぼったくり行為をする飲食店へ連れて行き、高額な代金を要求したとして、警視庁保安課は28日、飲食店員ら20代の男女4人を東京都ぼったくり防止条例違反の疑いで逮捕したと発表した。うち2人は、男性の衣服を取り上げてサウナ店に閉じ込めたとして監禁容疑でも逮捕した。 逮捕されたのは、東京都新宿区河田町、鈴木駿太(22)▽板橋区南町、大野詩織(21)▽住所不定、鈴木拓磨(21)▽北区王子5、劉佳稔(りゅうかねん)(20)――の4容疑者。 逮捕容疑は2月中旬、共謀して、アプリを通じて誘い出した下半身に障害がある埼玉県の20代男性を渋谷区道玄坂1のバーに連れて行き、高額な飲食代を支払わせたとしている。 鈴木駿太と拓磨両容疑者は、その後に移動した港区赤坂のサウナ店で、男性を約8時間半にわたり監禁したとしている。4人は容疑を認めているという。 警視庁によると、大野容疑者が精神や身体に障害がある「あいり」と称して男性と会い店に誘導。店員役の劉容疑者が水で薄めた酒を大量に提供し、飲食代として34万6000円を要求したとみられる。 その後、男性を現金自動受払機(ATM)まで連れて行き、25万円を引き出させて支払わせたうえ、オーナー役の駿太容疑者が「(時間がかかり)他の客がキャンセルになった」などとして補塡(ほてん)金を要求したという。 さらに、駿太容疑者の指示を受け、拓磨容疑者がサウナ店で男性の衣服や携帯電話を取り上げて、翌朝まで監禁。消費者金融でスマートフォンで借りられる上限額の50万円ずつを3社で計150万円借りさせ、商業施設で金のネックレス2本(販売価格67万円相当)を買わせたという。男性の実家まで取り立てにも行ったとされる。 男性は「足に装具をしているので、逃げても追いつかれてしまうと思った」と話しているという。 4人は渋谷でぼったくりを繰り返し、男性54人が約8000万円の被害に遭ったとされるグループのメンバー。グループにはマニュアルがあり、被害者を選ぶ目安として、遠方に居住▽女性経験が少なく、怒らなそう▽プロフィルで飲酒習慣がありそうな人は除く――などを列挙。「大事になるのを嫌がりそう」という理由で公務員も対象にしていたという。 グループメンバーの逮捕者はこれで7人となった。【菅野蘭】

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