「1980年5月に何があった?」と聞かれたら韓国人は皆こう答える、「光州事件」…戦いの軌跡をたどる

1980年の5月に何が起こったかを聞かれたら、韓国の人は皆「光州5.18民主化運動(光州事件)」について語るだろう。光州民主化運動は、1980年5月18~27日までの10日間、全斗煥(チョン・ドゥファン)率いる新軍部の弾圧に抵抗した光州市民による民主化抗争である。 戒厳軍はデモに参加した学生や市民だけでなく、無関係の多くの市民をも無差別に攻撃した。多くの死傷者を出したこの事件は、戒厳軍が光州を制圧したことで終結を迎えたが、韓国のその後の民主化運動に大きな影響を与えることとなった(この事件が光州で起こった経緯と抗争の詳細ついては後述する)。 韓国は1987年に民主化を実現したが、2024年12月、45年ぶりに戒厳令が発令されたことで韓国に激震が走った。その時多くの人が光州で起こった悲劇を思い出した。そして今、民主化に至る歴史を振り返るために、改めて光州を訪れる人が増えている。 光州広域市は抗争当時の建造物、跡地などを史跡として保存、公開している。史跡は2025年5月現在29号まで(2025年6月に1カ所追加され30カ所になる予定)あり、各史跡には史跡碑が置かれている。史跡巡りの案内パンフレットは、光州広域市内の観光案内所などで入手可能だ。 隣国の民主化はどのような過程を経て実現したのか、それを知ることは日本の民主主義の在り方について考えることにもつながる。今だからこそ、私たちも光州を訪れて、「光州5.18民主化運動」の軌跡をたどってみるのはどうだろうか。 今回は事件と関係のある9つの史跡を5項目に分けて紹介する。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする