サイの角切断で密猟約80%減 南ア<br />

【AFP=時事】サイの密猟の多発地帯となっている南アフリカの自然保護区で、サイの角を切断したところ、密猟が約80%減少したとする研究結果が5日、科学誌「サイエンス」に掲載された。密猟対策としてサイの角の切断は、レンジャーの配備や追跡犬の導入に比べて費用がわずかで済むともしている。 米国科学振興協会が発表した研究は、2017~23年の7年間にわたって、世界最大のサイの個体群を擁するクルーガー国立公園周辺の11か所の保護区で行われた。 その間、グレータークルーガー地域の保護区では、約1985頭のサイが密猟された。密猟の取り締まりには7400万ドル(約106億円)が費やされ、密猟者約700人が逮捕された。 一方で、2284頭のサイの角を切断したことで密猟は78%減少し、その費用は予算のわずか1.2%にとどまったという。 象牙と同様、サイの角は地位の象徴として珍重されるほか、伝統医療では媚薬的効果があるとされ、闇市場では金やコカインに匹敵する高値で取引されている。 研究者らは「密猟者を摘発し、逮捕することは重要だが、密猟の機会や報酬を減らすことに重点を置いた戦略の方が効果が高い可能性がある」と指摘している。【翻訳編集】 AFPBB News

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