大川原化工機、第三者委による真相解明求め要望書 警視庁と地検に

化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の社長らの起訴が取り消された冤罪(えんざい)事件を巡り、警視庁公安部と東京地検の捜査を違法と認定した東京高裁判決を受け、大川原側の弁護団は9日、警視庁や東京地検、国家公安委員会に対し、上告しないことなどを求める要望書を、4万筆を超えるオンライン署名を添えて提出した。 要望書では、第三者委員会による真相解明や、関係者の厳正な処分を求めている。オンライン署名は東京高裁判決翌日の5月29日にスタートし、8日正午までに集まった4万1479筆を提出した。 警視庁への提出後、大川原正明社長(76)は報道陣に「上告は何としてでもストップして、反省をしていただきたいという気持ちがある。多くの署名が集まり、本当にありがとうございました」と述べた。 大川原社長によると、警視庁の庁舎内に入った直後、担当者から「規定ですので、録音や写真撮影をしないでください」と言われたという。 大川原社長は「要望書や署名を提出しに来た私たちに対し、そういうことを言う警視庁側の対応はおかしい。こういうところが、事件の根源のような感じがする」と語った。 公安部に逮捕された後、勾留中にがんが見つかって満足な治療を受けられずに亡くなった大川原元顧問の相嶋静夫さん(享年72)の長男(51)は、約10日間で4万筆以上の署名が集まったことについて「一つの会社の事件ではなく、日本の刑事司法全体の問題として、国民が危機感を持っていることの表れだと思う」と話した。 そして「警視庁も検察庁も、抜本的な改善策、国民が納得できる再発防止策を講じてほしい」と力を込めた。【遠藤浩二】

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