【AFP=時事】米カリフォルニア州ロサンゼルス市で8日、不法移民の摘発に抗議するデモ隊が治安部隊と衝突した。警察は、ドナルド・トランプ大統領が派遣した州兵部隊にデモ隊が接近するのを阻止した。 移民当局の摘発に対する抗議デモは3日目に突入した。これまでに当局が不法移民やギャングの構成員だと主張する数十人が逮捕され、デモの参加者の間で怒りが広がっている。 8日午後には自動運転車ウェイモ少なくとも3台が燃やされた他、車両2台が破壊された。 多数の人々が街頭に繰り出したため、主要高速道の通行が1時間以上にわたって停止。カリフォルニア州ハイウエー・パトロールが出動し、閃光発音筒や発煙弾を使用して群衆を排除した。 午後に入ると、ロサンゼルス市警(LAPD)が連邦政府の市庁舎から一定の距離を置いて封鎖線を設置し、怒りを露わにしたデモ隊と、トランプ氏が派遣した第79歩兵旅団戦闘団の武装した州兵との接触を防いだ。 州兵派遣について反対派は、不法移民の取り締まりを2期目の柱に掲げるトランプ氏が、通常は州知事の管理下にある州兵を動かすことで意図的に緊張を煽っていると主張している。 カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事はX(旧ツイッター)への投稿で「トランプ氏が関与するまで問題はなかった」「これは州の主権に対する重大な侵害であり、本来必要とされる場所から州兵を奪い、緊張を煽っている。命令を撤回し、カリフォルニア州に州兵の統制権を返せ」と批判した。 米国の大統領が州知事の頭越しに州兵を派遣したのは1965年以来初めてで、カマラ・ハリス前大統領ら民主党は「混乱を引き起こすことを目的とした危険なエスカレーション」だと批判している。【翻訳編集】 AFPBB News