女性の薬物依存、背景に何が? 約3割に性暴力の被害経験「服役前の生活は、安全とはほど遠かった」

論議の的になることもなく、長らく看過されてきた問題がある。それが、女性薬物依存者の処遇をめぐる格差である。 日本は、諸外国と比べて違法薬物使用が盛んでないことから、薬物依存症に関する誤った偏見が流布され放置されてきた。医師や研究者などの専門家からは、司法における薬物依存症の治療や対策のあり方には不備が大きいとして強く批判されている。 ようやく一部で治療的アプローチが取り入れられるようになってきたが、なおも女性薬物依存者の処遇には大きな課題が残っている。そこには、女性特有の生きづらさとジェンダー格差の問題があった。 本稿は、2025年2月8日に開催されたイベント「女子依存症回復支援プログラムを考えるシンポジウム 『塀のなかと外はつながるのか?』-女子刑務所モデル事業を振り返る」より、女性薬物依存者が抱える困難に焦点を当てレポートする。(文:遠山怜)

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