冤罪事件に巻き込まれた化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)が国と東京都に損害賠償を求めた裁判で、警視庁公安部と検察の捜査の違法性を認定した東京高裁の判決について、上告期限だった6月11日、国と都から上告を断念する意向が会社側に伝えられた。 国と都に1億6600万円あまりの支払いを命じた判決が確定する。同社社長の大川原正明さんは「我々を支えてくれた社員やその家族たちにわかるような謝罪をぜひしてほしい」と話した。 無実を知ることなく亡くなった同社元顧問の相嶋静夫さんの話になったとき、大川原社長が涙を拭う一幕もあった。(弁護士ドットコムニュース・一宮俊介)