「新しいパパとお風呂入った」再婚相手が破った約束。7歳の娘を持つシングルマザーに芽生えた「疑心暗鬼」【専門家解説】

今年4月、当時同居していた13歳未満の義理の娘に対し、自宅でわいせつな行為をしたとして30代の男が逮捕された(沖縄県警)。家族と女児の勇気ある告発が犯行を明らかにしたというが、被害児童のケアが十分に行われることを願うばかりである。 「最近、シングルマザーの再婚相手や内縁の夫による連れ子への虐待報道が多い、と感じている方は多いのではないでしょうか」 こう話すのは、危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏。 警察庁では児童虐待の被害件数報告において、加害者の内訳を「父親等」「母親等」の2つに分けているが、そのうち全体の7割以上を占めるのが「父親等」だ。 「さらにその内訳を見てみると、実父46%、養継父16.3%、内縁5.2%、その他4.7%となっており、実父以外からの虐待加害の多さも伺えます」とした上で平塚氏は… 「夫や内縁の夫による子への虐待に気づいても止められない母親には『相手を失いたくない』『止めれば次は自分が標的になる』などの心理が働いているケースが多いそうです。 凶暴化した相手を止めることは難しくても子どもの安全は絶対に守られるべき。虐待に対しては毅然と通報する勇気を持ちましょう」と述べる。 今回取材に応じてくれたのは、娘が小学校に入学するタイミングで再婚した会社員の女性。再婚時の年齢は35歳であった。 「女性が再婚した相手は婚活アプリで出会った男性でした。数か月メッセージ機能でやりとりした後に初対面。1年間交際して人柄や家柄を確かめた上での再婚だったとご本人は話しています」 懸念がなかったと言えば嘘になるが、父親の記憶がない娘がすぐに相手に懐いたことは非常に大きな判断材料になった、と女性。一方、平塚氏は… 「疑ってばかりいても新しい人生に踏み出す勇気が持てませんが、結婚や交際に対してポジティブになっている時期は『あばたもエクボ』となることも。時には自分だけで判断せず、周囲に相談してみるのも一案ではないでしょうか」 と指摘。女性は再婚前、男性が娘に対し、身体的接触を積極的に行うような素振りがないかなどを無意識のうちにチェックしていたと証言した。 「信用してはいたものの、変なニュースが多いので、ついそうする癖ができていたと女性は言います。もし少しでも妙な動きがあれば、すぐに引き返す心の準備をしていたと」 娘を一番大切に考えるというスタンスだけは崩さないようにしていた女性。しかし、入籍から数か月経ったある日、女性が帰宅してみると、すでに2人はパジャマを着ており、娘が「パパとお風呂に入ったよ」と無邪気に報告してきたという。 「女性は特に残業で帰宅が遅れたわけでもなく、何より、父娘2人のお風呂はなしというルールをもうけていたため、この事実に動揺したと話しました」と平塚氏。 男性が悪びれる様子もなかったのは「やましさのない証拠」だと思おうとした女性ですが、その後、小さな猜疑心は「疑心暗鬼」に変わってしまった。女性はこう述べている。 「私が疑心暗鬼になったのは、夫の言い分と娘の言い分に食い違いがあったからです。そこを指摘すると、夫は『俺を変態みたいに言うなよ』と怒り出してしまい、そこからは関係が悪化していきました。1年は持ちこたえましたが、今別居中です」 【関連記事】「パパが洗ってくれた」夫の話と食い違う娘の証言とは。シングルマザー再婚の「令和的障壁」 では、娘との入浴について語られた不審点と共に、その後多発した夫婦のトラブルについて詳報している。 【聞き手・文・編集】佐原みすず PHOTO:Getty Images【出典】警察庁:児童虐待の検挙状況より(令和6年の割合から引用)

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