一向に減らない特殊詐欺。鳥取県警の波田貴幸警部補が県内で増加している詐欺の手口と対策について解説します。 中山沙希 アナウンサー 「いま全国では新たな詐欺の手口が増えているんですよね?」 鳥取県警 波田貴幸 警部補 「いま被害が増えているのが『キャッシュカードをだまし取る詐欺』です。犯人が実際に自宅を訪れ、キャッシュカードをすり替えて盗む手口なんですね」 中山沙希 アナウンサー 「なかなか自宅に来た知らない人にキャッシュカードを渡すようなことはしないと思うのですが…被害が出ているんですね」 鳥取県警 波田貴幸 警部補 「はい、まさかと思いますよね。ただ、実際に何件も鳥取県内で被害が発生しています」 ◇◇◇ ある日、鳥取県に住む女性のもとに着信が・・・。 警察官を名乗る男からの捜査についての電話でした。 警察官を名乗る男 「先日詐欺グループを逮捕したらグループの持つ名簿にあなたの名前がありました。詐欺グループはあなたの口座から10万円を引き出していたようです。そのためにあなたの口座を確認する必要があります」 するとそのとき、自宅に直接、警察を名乗る男が訪ねてきました。そこで電話口の男はー。 警察官を名乗る男 「今、山田という警察官が訪ねてきませんでしたか?その警官にキャッシュカードと、暗証番号を書いたメモを預けてください」 女性は信じ込み、キャッシュカードを用意します。警察官を名乗る男はカードを封筒で包むと。 警察官を名乗る男 「キャッシュカードは使わないように封印をしました。証明のために印が必要なので、もってきてもらえますか」 女性を家の奥に誘導!その隙に、封筒を別の封筒にすりかえました!戻ってきた女性は、すり替えられた封筒に印鑑を押します。そして、キャッシュカードが入った封筒は警察を名乗る男が持ち去ってしまいました。 ◇◇◇ 鳥取県警 波田貴幸 警部補 「この後、キャッシュカードは限度額まで使われ、異変に気付いた女性が封筒を開けてみるとトランプが入っていました」 中山沙希 アナウンサー 「ここで初めて発覚したわけですね」 鳥取県警 波田貴幸 警部補 「封筒を交換される、ここまで来てしまうともう気付けないんですね」 中山沙希 アナウンサー 「手口も巧妙化していると…」 鳥取県警 波田貴幸 警部補 「相手は、人間をどうやったらだませるかと日々考えているもうマニュアル化している訳です」 キャッシュカードすりかえ件数令和元年からほぼ毎年、発生しています。向こうはマニュアルとして、手口の1つとして持ってます。 まずは1つ、電話の後に、警察官が来るシーンです。 中山沙希 アナウンサー 「タイミングが良すぎるような…」 鳥取県警 波田貴幸 警部補 「そうなんです。あえて、すぐにもう1人来ることで、信じてしまうんです」 これがポイント1つ目。そして次が、印鑑を押させました。カードは手元に残ると思わせて、警戒心をやわらげさせたんです。これがポイント2つ目です。 中山沙希 アナウンサー 「警戒心をそぐポイントを抑えてきているんですね」 鳥取県警 波田貴幸 警部補 「引っかからないよ、そう言っている人も危ないんです」 中山沙希 アナウンサー 「では、私たちはどう対処していけばいいのですか?」 鳥取県警 波田貴幸 警部補 「手口を知ることが、まず第一歩。それを知って終わりではなく、自分にも降りかかっておかしくないと身構えることが大切です。ありうる話なんだと気持ちを持っておいてください」 中山沙希 アナウンサー 「そして不安に感じたら、相談窓口もあるわけですね」 鳥取県警 波田貴幸 警部補 「はい、警察相談専用ダイヤル、「#9110」まで電話相談してください」