警察官など名乗りうそ説明「口座をネットバンキングで操作可能に」詐欺疑い 詐欺グループ「かけ子」男逮捕

ベトナム・ハノイを拠点にしていた特殊詐欺グループで、電話をかけて被害者をだます「かけ子」役の男が大阪府警に逮捕されました。 詐欺の疑いで逮捕されたのは、愛知県豊川市の会社員・井上康史容疑者(30)です。 井上容疑者は去年1月、何者かと共謀し、警察官などになりすまして大阪府の80代の女性に電話をかけ、「麻薬グループから現金を受け取っていないか調べる必要がある」などとうその説明をして、口座情報を聞き出し、インターネットバンキングで女性の口座からの振り込みや送金ができるようにした疑いがもたれています。 この「女性の口座をインターネットバンキングで操作できるようにしたこと」が「操作できる『地位』をだまし取った」という詐欺の疑いに当たります。 警察によると、女性が被害にあった手口は、次のようなものだといいます。 ・女性の自宅に電話があり「あなたの携帯電話が使用できなくなります」など自動音声で説明される。 ・女性が対応すると、「通信事業者(携帯電話会社)のオペレーター」役が「あなたの電話が犯罪に使われていますよ。警察から連絡が来ているので、警察に替わります」と説明される。 ・そこから「警察官」役、「検察官」役が登場し、口座情報を聞き出していく。 井上容疑者はベトナム・ハノイを拠点に特殊詐欺グループの「かけ子」をしていたとみられます。 ほかに中国の大連にも同じグループの拠点があったとみられ、警察は実態の解明を進めています。 大阪府警は、今回のような、自動音声によるガイダンスをきっかけに金をだまし取る特殊詐欺の被害が去年1年間で60件発生し、被害額があわせて3億円ほどに上ることを確認しているほか、ことしは5月までで、すでに60件、あわせて2億円ほどの被害を確認しているということで、注意を呼びかけています。

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