茨城・坂東市汚職 逮捕の職員「金もらった」 1カ月前、賄賂と認識か

茨城県坂東市が発注する下水道工事の随意契約を巡る汚職事件で、収賄容疑で逮捕された市道路建設課主査の男(52)=同市=が、逮捕の約1カ月前、周囲に対し、贈賄側の水道業者から「車や金をもらってしまった」などと金品の授受を認める趣旨の発言をしていたことが19日、茨城新聞の取材で分かった。便宜を図った見返りとして賄賂性も認識していたとみられる。 関係者によると、男は今月16日に逮捕される1カ月ほど前、周囲に県警から任意で調べを受けていることを明かした上で、動揺した様子で「(業者から)車や現金をもらってしまった」と漏らし、「もう逃げられない」などとも語っていた。県警の調べに対しても容疑を認めているとみられる。 男は、市下水道課に勤務していた昨年12月までの1年半の間に、市が発注する下水道工事の随意契約を特定の業者が受注できるよう、業者側に事前に契約金額などの情報を提供。謝礼として現金3万円や中古の軽乗用車、温水洗浄便座など時価合計27万2100円相当を受け取った疑いがある。 事件の舞台となった下水道課には、直近では2021年4月から今年3月まで在籍し、工務係主査として工事の施工監督や工事業者の選定などの業務を担っていた。業者との接点も比較的多く、設計金額の積算などは実質的に1人で行っていたという。 県警は、生活に困っていた男が、職場での立場を利用して契約情報などを事前に業者に伝えていたとみて、市役所から押収した約80点の契約関係の書類などの分析を進めるほか、賄賂を贈ったとされる市内の水道業者からも任意で事情を聴くなどして実態解明を急ぐ。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする