神戸市で2010年に高校2年の堤将太さん(当時16)を殺害したとして、殺人罪に問われた当時17歳の被告の男(32)の控訴審判決で、大阪高裁(村越一浩裁判長)は20日、懲役18年とした一審・神戸地裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。 被告は10年10月、同市北区の路上で、面識のない堤さんを折りたたみ式のナイフで多数回刺し、失血死させたとする罪に問われた。長期未解決の「コールドケース」になったが、「人を殺したことがあると周囲に語る人物がいる」という情報が兵庫県警に寄せられ、被告が浮上。21年に県警が殺人容疑で逮捕した。 責任能力と量刑が主な争点となり、地裁は精神鑑定の結果を踏まえて「完全責任能力があった」とし、当時少年という事情があっても「刑が大幅に軽くなるとはいえない」と判断。控訴した被告側は刑が減軽される心神耗弱の状態で、量刑も重すぎて不当だと訴えていた。(遠藤美波)